フィリピン人の特徴を徹底解説!採用前に知っておきたい性格・仕事観・文化とは?

近年、グローバル化や国内の労働力不足を背景に、特定技能の分野を含めて外国人材の採用を検討する企業が増えています。
中でも、ホスピタリティが高く、明るい国民性で知られるフィリピン人は、多くの日本企業から注目を集めている存在です。
しかし、文化や習慣の違いから、採用後にミスマッチや問題が生じてしまうケースも少なくありません。
本記事では、フィリピン人の採用を考えている企業担当者様に向けて、フィリピン人の基本的情報から、性格や仕事に対する考え方、コミュニケーションのポイント、採用時の注意点、そして2025年を見据えた最新情報まで、おすすめのポイントと概要を網羅的に解説します。
「フィリピン人の性格って実際どうなの?」「日本で働く上でどんな特徴がある?」「採用するメリット・デメリットは?」といった疑問に具体的にお答えし、貴社の採用活動を成功に導くための方法を提供します。
この記事を読めば、フィリピン人への理解が深まり、より円滑な採用と職場環境の構築が可能になるでしょう。
人口・言語・宗教から見るフィリピン人の特徴

まず始めに、フィリピンを取り巻く環境から見えてくるフィリピン人の特徴について紹介します。
多くの島々から成る国フィリピンの人口と地理的特徴
フィリピンは東南アジアに位置し、7,600以上の島々から成る群島国家です。
その地理的特徴は、地域ごとの文化の多様性にも影響を与えています。
温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、主要な島群としては首都マニラがあるルソン島、セブ島を含むビサヤ諸島、ミンダナオ島などが挙げられます。
2025 年時点での推定人口(正確な数についてはデータによって差異があります)は約1億1,300 万に達し、平均年齢は約25歳前後と非常に若く、労働力人口が豊富な点が大きな特徴です。
多くの島から構成されているため、地域によって話される言語や文化に違いが見られ、この地理的な多様性がフィリピン人の柔軟性や適応力の高さにつながっているとも言われます。
企業がフィリピン人を採用する際には、出身地域による文化的・言語的背景の違いにも留意すると、より深い理解が得られるでしょう。
フィリピンの公用語は英語?タガログ語との関係
フィリピンの公用語は、英語とタガログ語です。
歴史的背景からアメリカの影響を強く受け、学校教育やビジネス、政府の公文書でも英語が広く使用されています。
そのため、多くのフィリピン人は高い英語運用能力を持ち、国際ビジネスを展開する企業にとって大きなメリットとなります。
2023年のEF英語能力指数(EF EPI)では、フィリピンはアジア第2位にランキングされ、世界でも「Very High Proficiency(非常に高い英語能力)」に位置付けられています。
ただし、家庭内や地域コミュニティではタガログ語やセブアノ語、イロカノ語などの地方言語も大切にされており、日常的に使用されています。
幼い頃から多言語に触れているため、海外移住後に現地の言語を習得するのも早いとされています。
日本企業がフィリピン人を採用する際、英語や日本語でのコミュニケーションが円滑に行える可能性が高いことは、業務の効率化や社内の国際化を推進する上で大きな力となるでしょう。

国民の約8割が信仰するキリスト教の影響と文化
フィリピンはアジアで最大のキリスト教徒人口を有する国であり、国民の9割以上がキリスト教徒です。
この宗教的背景は、フィリピン人の価値観や生活習慣、文化に大きな影響を与えています。
例えば、家族の絆を非常に大切にする精神や、他人に対する思いやり、ホスピタリティの高さなどは、キリスト教の教えが根底にあると考えられます。
また、日曜日には教会へ礼拝に行く習慣を持つ人も多く、クリスマスやイースターなどの祝祭は国を挙げて盛大に祝われます。
企業がフィリピン人を採用する際には、こうした宗教的背景を理解し、休暇の取得希望などを尊重する姿勢が大切です。
フィリピン人が陽気でフレンドリーというのは本当?

フィリピン人と聞くと、「陽気でフレンドリー」「歌やダンスが好き」といったイメージを持つ方が多いかもしれません。
これらのイメージは概ね正しいと言えますが、それだけが彼らの全てではありません。
フィリピン人の性格をより深く理解することは、採用後のコミュニケーションやマネジメントを円滑に進める上で非常に重要です。
非常に明るく陽気な国民性とその背景
フィリピン人の最大の特徴の一つとして、その明るく陽気な性格が挙げられます。
温暖な気候や、音楽やダンスを愛する文化が、この国民性を育んでいると言えるでしょう。
困難な状況でも笑顔を絶やさず、前向きに取り組む姿勢は、周囲の人々にも良い影響を与えます。
職場の中においても、その明るさはムードメーカーとしての役割を果たすことが多く、人気者として現場の雰囲気を和やかにする効果が期待できます。
ただし、この陽気さが、時として真剣さに欠ける、あるいは緊張感がないと捉えられてしまう可能性もゼロではありません。
文化の違いを理解し、TPOに合わせたコミュニケーションを促すことが大切です。
家族や仲間を大切にする強い絆
フィリピン人にとって、家族は最も大切な存在です。
家族への愛情や責任感が非常に強く、仕事をする目的も「家族を支えるため」という人が多いです。
また、結婚した後の親族とのつながりも非常に重視し、その家族愛は親戚や親しい友人など、広い範囲の「仲間」にも及びます。
この強い絆は、仕事に対するモチベーションの源泉となる一方で、家族に何かあった場合には仕事よりも彼らを優先する傾向も見られます。
例えば、家族の病気や冠婚葬祭などで急な休みを取る必要が生じることもあります。
企業としては、こうした文化を理解し、可能な範囲で柔軟に対応する姿勢が求められます。
事前に日本の会社の就業規則や休暇制度について丁寧に説明し、理解を得ておくことが重要です。
プライドが高い一面と人前で怒られることへの耐性
フィリピン人は一般的に温厚でフレンドリーですが、自尊心、つまりプライドが高い一面も持っています。
特に、大勢の人の前で叱責されたり、面子を潰されたりすることを非常に嫌います。
これは「Hiya(ヒヤ)」と呼ばれる羞恥心の文化と関連しており、相手に恥をかかせない、自分も恥をかかないという意識が強く働きます。
そのため、業務上の指導や注意を行う際には、人前を避け、個別に、相手の立場や感情に配慮しながら伝えることが非常に重要です。
頭ごなしに否定したり、感情的に怒鳴ったりするような指導は、彼らのモチベーションを著しく低下させるだけでなく、信頼関係を損なう要因となり得ます。
具体的な事実に基づいて、改善点を冷静に、そして建設的に伝えるなど、日本人とは別のコミュニケーション手段が必要になるかもしれません。
楽観的で「なんとかなるさ(Bahala na)」精神
フィリピン人は非常に楽観的な性格の持ち主が多く、「Bahala na(バハラ・ナ)」という言葉にその精神が表れています。
これは「なんとかなるさ」「神様がなんとかしてくれる」といった意味合いで、困難な状況に直面しても過度に悲観せず、前向きに捉えようとする姿勢を示します。
この楽観性は、ストレス耐性の高さや、変化への適応力といったポジティブな側面につながることがあります。
一方で、計画性に欠ける、あるいは問題解決への積極性が低いと見なされる可能性もあります。
企業としては、この「Bahala na」精神を理解しつつ、業務においては計画的な行動や報告・連絡・相談の重要性を教え、バランスを取ることが求められます。
日本で働くフィリピン人の覚えておきたい特徴

フィリピン人の仕事観は、彼らの国民性や文化的背景と深く結びついています。
高い英語力やコミュニケーション能力を持つ一方で、日本とは異なる労働慣行やキャリアに対する考え方を持っていることも理解しておく必要があります。
ここでは、フィリピン人が日本で働く際に覚えておきたい特徴や、企業が知っておくべきポイントを詳しく見ていきます。
これらの情報は、採用後の育成計画や職場環境の整備に役立つはずです。
時間にルーズ?「フィリピノ・タイム」の真実と対策
「フィリピノ・タイム」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは、フィリピン人の時間感覚が、日本人と比較してルーズであると言われることを指す言葉です。
約束の時間に遅れることに対して、日本ほど厳格ではない傾向があるのは事実かもしれません。
これは、温暖な気候や、あまり先のことを細かく計画しすぎない国民性が影響していると言われています。
しかし、これが全てのフィリピン人に当てはまるわけではありませんし、ビジネスの場においては時間厳守の重要性を理解している人も多くいます。
採用時には、日本のビジネス文化における時間管理の重要性を明確に伝え、理解を求めることが大切です。
遅刻や欠勤に関する会社のルールを丁寧に説明し、なぜそれが重要なのかという背景まで伝えることで、意識の共有を図ることが可能です。
高い英語力とコミュニケーション能力
前述の通り、フィリピンでは英語が公用語の一つであり、多くの国民が高い英語運用能力を持っています。
これは、フィリピン人が国際的な環境で働く上で非常に大きな強みとなります。
特に、外国人顧客との対応や、海外拠点との連携が必要な業務において、その能力は最大限に発揮されるでしょう。
また、フィリピン人は一般的にコミュニケーションを取ることに積極的で、物怖じしない傾向があります。
明るくフレンドリーな性格も相まって、チーム内での意思疎通や、顧客との良好な関係の構築に貢献することが期待できます。
ただし、日本特有の「空気を読む」「察する」といった曖昧なコミュニケーションは苦手とする場合があるため、指示や情報は具体的かつ明確に伝えることが重要です。
ホスピタリティ精神が高くフレンドリーな人柄
フィリピン人は、おもてなしの心、いわゆる「ホスピタリティ精神」が非常に高いことで知られています。
外国人に対してもフレンドリーで、困っている人がいれば自然に手を差し伸べる優しさを持っています。
このホスピタリティの高さは、サービス業や介護分野などで特に活かされるでしょう。
顧客や利用者に対して、心からのサービスを提供できる人材は、企業の人気を高める上で大きな力となります。
日本人が持つ「おもてなし」の心とはまた違った、よりオープンで親しみやすいフレンドリーさを得意としています。
ただし、この親しみやすさが、馴れ馴れしいと受け取られないよう、ビジネスシーンにおける適切な距離感については、初期の段階で丁寧に伝える必要があります。
仕事に対する意欲と向上心
フィリピン人の多くは、家族を支えるため、より良い生活を求めて働く意欲が高いと言えます。
特に海外で働くことを選択する人々は、強い目的意識と向上心を持っていることが多いです。
新しいスキルを習得することや、キャリアアップに対しても積極的な姿勢が見られます。
また、成長の過程で上司や同僚と協力しながら学ぶ意識も強く、チームワークの向上にもつながります。
企業が研修制度やキャリアパスを示して本人の目標を明確に示すことは、彼らのモチベーションを維持し、長期的な貢献を促す上で非常に効果的です。
仕事の成果を正当に評価し、努力が報われる環境を提供することで、彼らの持つポテンシャルを最大限に引き出すことができるでしょう。
日本の労働環境への適応と課題
日本の労働環境は、フィリピンのそれとは異なる点が多くあります。
例えば、時間厳守、チームワークを重視する文化、詳細な報告義務、残業や休日出勤に対する考え方など、初めて日本の企業に就職するフィリピン人にとっては戸惑うこともあるかもしれません。
特に、年功序列や終身雇用といった日本独自の雇用慣行については、理解に時間がかかる場合もあります。
そうした内容を資料としてまとめて、事前のレクチャーに備えておきましょう。
企業としては、日本の労働文化やルールについて、丁寧に説明し、理解を求める努力が必要です。
また、フィリピン人が安心して働けるよう、相談しやすい環境を整えたり、メンター制度を導入したりなどの組織的な運営も有効です。
異文化への適応には時間がかかることを理解し、根気強くサポートすることが大切です。
給与や待遇に関する考え方と期待
フィリピン人が海外で働く主な目的の一つは、経済的な理由です。
そのため、給与や待遇に対する関心は非常に高いと言えます。
フィリピン国内の給与水準と比較して、日本の給与は魅力的ですが、生活費の高さも考慮する必要があります。
採用時には、給与体系、昇給の条件、福利厚生などについて、具体的かつ明確に説明することが重要です。
また、フィリピンでは13ヶ月給与(年末に1ヶ月分の給与を追加で支給する制度)が一般的であるため、日本のボーナス制度などとの違いについても説明しておくと良いでしょう。
期待と現実のギャップが生じないよう、透明性の高い情報提供を心がけることが、後のトラブルを防ぐ上で大切です。
キャリアパスと長期的な就労意欲
フィリピン人は、自身の成長やキャリアアップに関心が高い傾向があります。
単に収入を得るだけでなく、仕事を通じてスキルと経験を習得し、次の可能性を広げたいと考えている人が多いです。
そのため、企業が明確なキャリアパスを示し、成長の機会を提供することは、彼らの長期的な就労意欲を高める上で非常に重要です。
定期的な面談を通じてキャリアに関する希望を聞き、それに応じた研修や業務機会を提供することで、エンゲージメントを高めることができます。
フィリピン人が日本で長く活躍してくれることは、企業にとっても大きなメリットとなるでしょう。
フィリピン人を採用するメリット・デメリット

ここまで見てきたフィリピン人の特徴や仕事に対する見方を踏まえて、フィリピン人労働者を採用するメリットとデメリットを一覧としてまとめました。
採用後の万が一のミスマッチを避けるためにも、採用担当者はぜひ下記の点を覚えておいて下さい。
企業がフィリピン人を採用する際の大きなメリット
フィリピン人を採用することには、多くの魅力的なメリットがあります。
- 高い英語運用能力
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グローバルなビジネス展開や、社内の国際コミュニケーション活性化に貢献します。
多くのフィリピン人が流暢な英語を話すため、外国人顧客対応や海外取引先との連携もスムーズに進められます。
- 異文化への適応力と柔軟性
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歴史的に多様な文化の影響を受けてきたフィリピン人は、新しい環境や異なる文化に対する適応力が比較的高いと言われています。
日本人とは異なる視点や発想は、企業のイノベーションを促進する可能性も秘めています。
- ホスピタリティを活かせる業務での活躍
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前述の通り、サービス精神が旺盛で、人当たりが良いフィリピン人は、接客業、観光業、介護・看護分野などで特にその能力を発揮します。
顧客満足度の向上に貢献してくれるでしょう。
- 比較的若い労働力と今後の人口ボーナス
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フィリピンは平均年齢が若く、今後も労働力人口の増加が見込まれる「人口ボーナス期」にあります(2023年時点)。
若くエネルギッシュな人材を確保しやすい点は、少子高齢化が進む日本にとって大きなメリットです。
- 学習意欲の高さと向上心
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より良い生活を目指して海外で働くフィリピン人は、新しい知識やスキルを学ぶことに意欲的な人が多いです。
適切な教育機会を提供することで、大きく成長し、企業の戦力となることが期待できます。

フィリピン人採用で考慮すべきデメリットや注意点
一方で、フィリピン人を採用する際には、以下のような点に注意が必要です。
これらは「デメリット」というよりも、文化的な違いから生じる「配慮すべき点」と捉える方が適切かもしれません。
- 文化や習慣の違いによる誤解
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日本の「当たり前」がフィリピンでは通用しないことがあります。
例えば、直接的な批判を避ける傾向があるため、問題点を指摘しても真意が伝わりにくい場合があります。
また、集団主義よりも個人や家族を優先する文化も、日本の組織文化とは異なる場合があります。
- 時間感覚の違いへの対応
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「フィリピノ・タイム」に代表されるように、時間に対する考え方が日本とは異なる場合があります。
遅刻や納期に対する意識について、日本のビジネススタンダードを丁寧に説明し、理解を促す必要があります。
- 家族を優先する傾向と急な欠勤・早退の可能性
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家族を非常に大切にするため、家族の病気や緊急時には仕事を休んだり早退したりすることを優先する傾向があります。
事前に会社のルールを説明するとともに、ある程度の柔軟性を持って対応することも時には必要です。
- 日本独自の雇用慣行への理解促進
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曖昧な指示や「空気を読む」ことを求めるコミュニケーション、サービス残業といった日本の慣行は、フィリピン人には理解しにくい場合があります。
明確な指示と、労働時間・休憩に関するルールの遵守が求められます。
- コミュニケーションにおける誤解の可能性
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直接的な表現を好む英語話者が多い一方で、相手を傷つけないように遠回しな言い方をすることもあります。
意思疎通の際には、確認を怠らないようにし、誤解が生じないように丁寧なコミュニケーションを心がけることが大切です。
- 在留資格やMWOへの申請
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フィリピン人が日本で働くためには、ビザ(在留資格)を取得しなければなりません。
企業はそのための手続きその他を支援する責任があります。
またそうした流れと同時に、MWOへの申請も必須となっています。
こうした手続きは無料ではないため、雇用コストを事前に見積る必要があります。
これらの点を事前に理解し、対策を講じることで、フィリピン人従業員が能力を最大限に発揮できる環境を整えることができます。

フィリピン人の特徴|まとめ

フィリピン人はその明るさ、ホスピタリティ、そして高い潜在能力で、現在、そしてこれからも多くの日本企業にとって魅力的な人材です。
彼らの特徴や特性を十分に理解して必要な対策を講じることによって、貴社においてもフィリピン人労働者はきっと活躍できるでしょう。
本記事を参考に、フィリピン人人材の採用をぜひ前向きに検討なさって下さい。
日本企業がフィリピン人労働者を雇用する際には、MWOへの申請が必須です。
MWO申請サポートでは、複雑で面倒なMWOへの申請をお手伝いしています。まずは一度、お気軽にご相談下さい。
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