介護分野で特定技能フィリピン人を受け入れるための完全ガイド

フィリピン 特定技能 介護

日本は、世界に類を見ないスピードで高齢化が進む国です。それに伴い、介護サービスの需要は年々増加の一途をたどっていますが、その一方で介護の現場では深刻な人手不足に陥っており

こうした状況を打開する方法として、近年注目を集めているのが「特定技能」在留資格を活用したフィリピン人材の受け入れです。

特にホスピタリティに優れ、明るく朗らかなフィリピン人の介護スタッフは単なる即戦力という枠を超え、介護現場で欠かせない存在として輝きを放っています。

当記事では、介護分野で特定技能フィリピン人のの採用を検討されている企業担当者様向けに、制度の概要から受け入れに必要な要件に手続きの流れ、注意点、さらに実際の事例を取り上げながら、採用と定着のために企業が打つべき対策について考察します

目次

特定技能制度の概要

車いすの高齢者に話かている介護士

特定技能制度は、国内で人手確保が難しい産業分野において、一定の専門性・技能を有するフィリピン人を受け入れるために、2019年4月に創設された在留資格です。深刻化する労働力不足を背景に、即戦力となる人材を確保する国の施策として位置づけられています。

解説介護分野は少子高齢化の影響でサービス需要が急増し、常に深刻な人手不足に直面しています。こうした事情から、制度創設当初より特定技能の対象分野に「介護」が含まれ、介護施設や訪問介護事業所などで高齢者ケアの即戦力として活躍しています。

特定技能1号と2号の違い

特定技能は、技能レベルや要件に応じて「1号」と「2号」の在留資格に分かれています

特定技能1号相当程度の知識または経験を必要とする業務に従事するための在留資格です。
介護分野はまずこちらでの受け入れが基本となり、在留期間は通算5年が上限、家族帯同は原則認められません。
特定技能2号熟練した技能を要する業務に従事する人材向けの在留資格で、在留期間の更新に上限はなく、要件を満たせば家族帯同も可能です。
なお、介護分野は現時点で2号の対象に含まれておらず、今後の法改正や運用開始を待つ必要があります。

技能実習制度との違い

技能実習制度は、日本で培った技術・知識を開発途上国へ移転し「人づくり」に寄与する国際協力が目的です。

一方、特定技能制度は国内の労働力不足に対応し、即戦力としての雇用を促進する目的で設けられています

この違いから、特定技能では同一業務区分内での転職が可能であり、事業計画に組み込みやすい仕組みとなっています。

参考:特定技能制度 | 出入国在留管理庁

なぜ介護分野でフィリピン人材が求められているのか?

フィリピンの国旗を空に向けて掲げている手

出入国在留管理庁のデータによると、2024年12月末時点で介護分野の特定技能1号フィリピン人労働者は約4,800人で、介護分野全体の約14%を占めています。

これだけ多くのフィリピン人人材が介護分野で活躍しているのには、それなりの理由(メリット)が存在します。

メリット1:高い語学力

フィリピンでは復数の言語(英語・タガログ語・現地語)を操るのが普通であり、新たな言語の習得も早い傾向にあります。実際に日本で働く多くのフィリピン人が早い段階で日本語を喋れるようになっているため、介護現場でも日本語による円滑なコミュニケーションが期待できます。

メリット2:ホスピタリティ精神

フィリピン人は明るく陽気で、人とのコミュニケーションを大切にする国民性を持っています。またフィリピン文化に根付いた「おもてなし」の心は、特に介護分野で大きな強みとなります。彼らが提供する質の高いサービスは、利用者からも高い評価を受け、企業の評判向上にも繋がるでしょう。

メリット3:親日的で日本文化への適応力が高い

フィリピンでは日本のポップカルチャーが広く浸透しており、日本に対して良いイメージを持つ人が多いです。そのため、日本の文化や生活習慣への適応が比較的スムーズに進む傾向があります。これは、職場での人間関係構築や定着率の向上において重要な要素です。

メリット4:優秀で学習意欲の高い人材の確保

フィリピン国外で働くことを選択するフィリピン人は、家族を支えたいという強い目的意識と向上心を持っています。新しい技術や知識、日本語の習得に対しても意欲的であり、企業の成長に貢献する優秀な人材となるポテンシャルを秘めています。

介護分野で特定技能フィリピン人が従事できる主な業務内容

介護施設で働くフィリピン人

特定技能の外国人材が従事できる業務内容は、それぞれの分野に応じて明確に定められています。

受け入れ後のミスマッチを防ぐためにも、自社がどのような業務で特定技能フィリピン人材を必要としているのかを把握しておくことが重要です。

基本的な業務範囲

特定技能フィリピン人が従事する主な業務は、介護利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等の「身体介護」です。それに加えて、レクリエーションの実施や機能訓練の補助といった「その他付随する支援業務」も業務範囲に含まれます。

具体的には、以下の業務が想定されています。

  • 身体介護(入浴、食事、排泄、移乗介助など)
  • 利用者の身の回りのお世話(清掃、洗濯など)
  • レクリエーションの企画・実施
  • 機能訓練の補助
  • 介護記録の作成
  • 送迎業務(事業所の通常業務として補助的に行う範囲で可能。施設や事業所の車両使用で、研修や安全管理が前提)

関連業務

事業所において日本人介護職員が通常行っている関連業務(例:物品の整備、補充、掲示物管理、清掃、利用者の送迎など)に付随的に従事できます。

ただし、主たる業務が身体介護であることが前提であり、関連業務のみを行うことはできません

参考:特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description) | 出入国在留管理

訪問系サービスへの従事は可能か?

訪問介護や訪問入浴といった「訪問系サービス」は、利用者宅という閉鎖された空間で介護職員が一人でサービス提供を行う場面が多いことから、不測の事態への対応や指示・管理体制の確保が難しいという特性があります。そのため、特定技能フィリピン人が訪問系サービスに従事することは、これまで認められていませんでした。

しかし2025年4月21日の制度改正によって、特定技能外国人も訪問介護サービスに従事することが可能になりました

ただし、そのためには以下の特定の条件を満たす必要があります。

  • 介護職員初任者研修を修了していること
  • 原則として1年以上の実務経験を有していること

この制度変更は、介護業界の人材不足を補うための重要な一歩であり、外国人材の活躍の場がさらに広がりました。

参考:外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について|厚生労働省

介護分野における特定技能人材の受け入れ要件と注意点

チェックボックスにチェックマークを記入しているビジネスマン

特定技能の在留資格で外国人材を受け入れるには、対象となる外国人本人と、企業のそれぞれで定められた要件を満たさなければなりません。

フィリピン人材が満たすべき主な要件

特定技能「介護」の在留資格を取得するには、対象者が介護業務に必要な技能と日本語能力の両面で所定の水準をクリアしていることが前提です。以下の3つの試験に合格しなければなりません。

1. 介護技能評価試験
  • 介護の基本、心身の仕組み、コミュニケーション技術、生活支援技術など、現場で求められる知識・技術を幅広く問うCBT方式の筆記試験です。
  • 国内外のPrometricテストセンターで受験可能です。
2. 介護日本語評価試験
  • 利用者の状態把握や報連相など、介護現場で必要な日本語運用能力を測るCBT方式の試験です。
  • 介護技能評価試験と同時に申し込むこともできます。
3. 基礎日本語能力の証明(いずれか1つ)
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2相当以上
  • 日本語能力試験(JLPT)N4以上

参考:介護日本語評価試験 特定技能1号|プロメトリック

企業側が満たすべき主な要件

日本の企業が特定技能フィリピン人材を受け入れる際には、フィリピン人材の権利を保護し、適正な制度運用を確保するために設けられた、法的要件を満たさなければなりません

法的要件
1. 特定技能所属機関としての適格性

外国人との直接雇用が原則であり、労働基準法や社会保険等関係法令を順守し、日本人と同等以上の待遇を確保する必要があります。

2. 介護分野における特定技能協議会への加入

介護分野で特定技能フィリピン人を受け入れるすべての事業者は、受け入れ開始日から4か月以内に「介護分野における特定技能協議会」への加入が義務づけられています。

3. 支援体制の整備

生活・就労のフォロー体制(住居手配、日本語支援、OJTや安全教育)を整備することが重要です。自社で支援が難しい場合は登録支援機関への委託も可能です。

4. 雇用契約の明確化

賃金、就業時間、休暇等を日本人と同等にし、労働条件を明確化することが求められます。

雇用契約について

特定技能所属機関は、フィリピン人材と以下の基準を満たす雇用契約を締結しなければなりません

基準
業務内容の適合性

契約業務が特定技能の分野定義と一致しており、単なる周辺業務に専ら従事させていないこと。

労働時間の公平性

同一の事業所に勤務する日本人正規雇用労働者と同等の所定労働時間であること。

報酬の公平性

報酬は日本人と同等以上であること。国籍による差別的取り扱いは禁止。銀行振込等で支払う必要がある。

一時帰国の配慮

フィリピン人材が希望する場合、企業は一時帰国のための休暇を与えること。

帰国旅費の負担

契約終了後、帰国旅費を本人が負担できない場合は企業が負担し、必要な措置を講じる義務がある。このような基準は、フィリピン人材の待遇が不当に不利にならないよう配慮されたものであり、長期的な就労継続と相互信頼の醸成に寄与します。

支援計画と登録支援機関の活用

特定技能1号のフィリピン人材を受け入れる際、企業は「1号特定技能外国人支援計画」を策定し、実施する義務があります。支援内容は次の通り、10項目の義務的支援を含みます。

10項目の義務的支援
  1. 事前ガイダンス
    • 労働条件・活動内容・入国手続き等を、母語または理解できる言語で説明すること。
  2. 出入国時の送迎
    • 入国時は空港から住居へ、帰国時は住居から空港まで送迎支援を行うこと。
  3. 住居・生活継続支援
    • 住宅確保、口座開設、携帯・ライフライン契約等の生活基盤整備を支援すること。
  4. 生活オリエンテーション
    • 防災情報、マナー、公共施設の使い方などを案内すること。
  5. 公的手続き同行
    • 住民票登録、社会保険加入など、行政手続きを支援・同行すること。
  6. 日本語学習機会提供
    • 教材提供や語学学校紹介など、日本語習得を支援すること。
  7. 相談・苦情対応
    • 職場や生活に関する悩みについて、フィリピン人が理解できる言語で対応する相談体制を整えること。
  8. 日本人との交流促進
    • 地域イベント参加など、日本人との交流機会を提供すること。
  9. 転職支援(やむを得ない場合)
    • 雇用終了時の再就職先の確保や推薦状作成を支援すること。
  10. 面談・通報
    • 3ヶ月に1回の面談を行い、法令違反があれば行政に通報すること。

これらの支援を企業がすべて自社で行うことも可能ですが、登録支援機関に委託することもできます。特に中小企業にとっては、支援内容の不履行リスクを低減し、制度適用を円滑に進めるためにも、登録支援機関の活用が現実的な選択肢となります。

登録支援機関の役割

登録支援機関は、出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関で、受け入れ機関に代わって支援計画の全部または一部を実施することができます。専門的な知識と経験を持つ機関に委託することで、受け入れ機関は法令を遵守した適切な支援を確実に行うことができます。

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自社支援と委託のメリット比較
支援の実施主体メリット留意点
自社コストを抑えられる多言語対応や継続的なフォロー体制の整備が必要
登録支援機関専門知識とノウハウで確実に支援業務を実施できる
法令違反リスクを低減
委託費用が発生し、連携窓口の調整や情報連携が必要

登録支援機関を賢く活用することで、企業は安心してフィリピン人材の定着支援に注力でき、本業への影響を最小限に抑えられます。

登録支援機関を選ぶ際は、費用だけでなく、介護分野での支援実績、対応可能な言語、担当者とのコミュニケーションのしやすさなどを総合的に比較検討することが重要です

参考:特定技能 ガイドブック|出入国管理庁

技能実習2号から特定技能1号への移行要件

介護分野の技能実習2号を良好に修了したフィリピン人は、一定の条件を満たした場合、特定技能1号への移行が可能です。これは、実習期間中に培った実務経験と日本語運用能力が、即戦力として十分と認められるためです

免除される試験
  • 介護技能評価試験:技能実習2号を良好に修了していれば、原則として免除
  • 介護日本語評価試験(JFT-BasicまたはJLPT N4):受入れ機関が必要書類を整えて申請する必要あり
メリット
企業側試験手配や受験準備の手間が不要になり、採用コストと手続き期間を大幅に削減
日本の業務・生活環境にすでに適応した人材を引き続き雇用できるため、早期戦力化と定着率向上が見込める
フィリピン人材側慣れた職場で就労を継続できるため、生活の安定とキャリアの連続性を確保
在留資格変更手続きが簡素化され、申請負担が軽減

企業はこの移行ルートを戦略的に活用し、技能実習生との信頼関係を維持しつつ、安定的かつ効率的な人材確保を実現しましょう。

参考:特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合) | 出入国在留管理庁

特定技能「介護」の申請手続きの流れ

申請書類の準備をしている受け入れ企業の担当者

特定技能の在留資格を申請する際、フィリピン人材が「海外にいる場合」と「日本国内に在留している場合」とで、手続きや必要書類が異なります。以下、それぞれの流れを解説します。

海外からの招へい
(在留資格認定証明書交付申請)
STEP
技能・日本語試験の合格

技能測定試験、および日本語能力試験(JFT-BasicまたはJLPT N4)に合格する必要があります。なお、介護分野の技能実習2号を「良好に修了」した場合、これらの試験は免除されます。

STEP
在留資格認定証明書交付申請

受入れ企業が、フィリピン人材の代理人として地方出入国在留管理局に申請を行います。標準的な審査期間は1ヶ月から3ヶ月です(※特に1月〜3月の繁忙期は遅延の可能性あり)。

STEP
認定証明書の交付と送付

要件を満たしていると判断されれば、出入国在留管理庁から在留資格認定証明書が交付されます。証明書の有効期間は発行日から3か月以内で、この期間内に入国しなければなりません。

STEP
査証(ビザ)申請と来日

フィリピン人材は証明書を持参し、本国の日本大使館または領事館で就労ビザを申請します。発給には数営業日を要するのが一般的です。ビザが発給された後、入国時に空港で在留カードが交付され、正式に就労を開始できます。

日本国内からの申請
(在留資格変更許可申請)
STEP
技能・日本語試験の合格

すでに日本に在留しているフィリピン人(例:留学生、技能実習生など)が特定技能へ在留資格を変更する場合、原則として技能試験および日本語試験の合格が必要です。技能実習2号修了者はこれらの試験が免除されます。

STEP
在留資格変更許可申請

受入れ企業が、フィリピン人材の代理で地方出入国在留管理局へ申請を行います。標準的な処理期間は2週間〜1ヶ月程度とされています。

STEP
許可と就労開始

審査が完了し、許可が下りれば、新しい在留カードが交付され、特定技能フィリピン人としての就労が正式に開始されます。

在留資格の申請手続きは、多くの書類や細かい規定が関わるため、書類不備や記載ミスが申請不許可の原因となることがあります。

特に初めてフィリピン人材を受け入れる企業にとっては、手続きの煩雑さが大きな負担となる可能性があります。

このようなリスクを避けるためにも、専門の代行業者等に手続きを委託することが推奨されます。適切な支援を受けることで、スムーズな人材受け入れと安定した雇用環境の構築が可能になります。

参考:受入れ機関の方 | 出入国在留管理庁

現場の声から学ぶ!特定技能フィリピン人活用のメリットと企業の支援体制

介護施設でボール体操するシニア男女

実際に介護の現場でフィリピン人を活用している企業の事例から、採用のメリットと企業が取るべき支援体制について考えていきましょう。

特別養護老人ホーム「葉栗の郷」の事例

愛知県で複数の施設を運営する社会福祉法人元気寿会では、EPA(経済連携協定)で来日したフィリピン人職員が、特定技能に移行して引き続き勤務しています。

来日前には、現地で日本語研修や介護基礎研修を実施し、来日後も施設内でのOJTや生活支援(社宅の準備、生活用品の提供など)を組み合わせることで、職員がスムーズに業務に慣れ、戦力として活躍できる体制を整えています。

フィリピン出身の職員は明るく、利用者への対応も丁寧で、施設全体の雰囲気向上にもつながっています。

学べる教訓
  • 海外からの候補者を事前に研修して受け入れることで定着率が高まる
  • 生活面・日本語・業務の三本柱での継続支援が、戦力化と定着率アップに直結する
  • EPAから特定技能への移行をサポートすることで、長期定着につながっている

参考:経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者受入れ説明会|JICWELS

特別養護老人ホーム「千歳苑」の事例

千歳苑では、特定技能のフィリピン人職員(3名)が在籍しており、来職後の定着・資格取得を支えるために教育と生活支援を体系化しています。導入期は「短期座学(約1週間)+日本人指導者の1対1指導」で基礎を固め、週1回の国家試験対策講座や実務者研修のスクーリング(事業所手配)で専門性を高めています。

施設側は、外国人職員に対して「日本人と同様に専門性を高めてほしい」という考えで受験促進や学習機会を提供しており、学習が業務に反映されることで利用者へのサービスの質が向上したとの評価を示しています。

また、受入れ前から日本人職員へ事前に説明や声かけを行うことで職場全体の受け入れ姿勢を整え、現場の支援体制を強化している点も強調されています。それによってフィリピン人スタッフの学ぶ意欲も強まり、彼らのそうした姿勢が職場全体の向上にもつながっていると報告されています。

学べる教訓
  • 初期は「座学+マンツーマン指導」を組み合わせると習熟が早い。
  • 事業所負担での定期講座・スクーリング手配が資格取得を現実化する。
  • 施設全体でフィリピン人スタッフを受け入れる体制を作り上げることが重要

参考:【専門性の高い介護職員へ】法人で初めて外国人職員が介護福祉士国家試験に合格した徳島県のケース | 国際厚生事業団 外国人介護人材支援

これらの事例から明らかなように、フィリピン人スタッフは対人対応力や勤勉さで現場に歓迎されることが多く、利用者満足や職場の雰囲気向上に寄与しています

彼らの力を引き出すために、企業は受け入れ体制を整え、トレーニングとスキルアップの道筋を示すことが重要です。

MWO申請|特定技能フィリピン人の受け入れのために

地図上にフィリピンの国旗が刺さった地球儀

特定技能の分野でフィリピン人人材を雇用する場合、ここまで考慮した点とは別に、MWOへの申請も必須となります

以前はPOLOという名称で知られていたMWOは、フィリピンのDMW(移住労働者省)の海外出先機関であり、日本では東京と大阪にMWOが設置されています(駐日フィリピン共和国大使館・総領事館内)。 

DMWとMWOはフィリピン人労働者の権利保護、福祉の向上、海外雇用の促進と管理を一元的に行うことを目的としています。そのため、特定技能「介護」でフィリピン人を採用する際にも、MWOへの申請が義務付けられています。ただし、すでに日本国内で技能実習生として就労しているフィリピン人が特定技能1号へ移行する場合には、MWOへの申請は不要です。

MWOへの申請手続きは、一般的に以下の流れで進みます。

手順
STEP
申請書類の提出

まず必要な申請書類や資料を準備し、MWO(東京または大阪の事務所)に送付(郵送)します。

STEP
MWOによる審査と承認

次に、MWOによって提出された書類に基づいて審査が行われ、雇用契約の内容などが適切であると判断されれば、フィリピン政府から正式な承認の印とも言える認証が得られます。この承認によって、フィリピン人人材の募集活動が行えるようになります。

STEP
フィリピン人人材の採用

フィリピン人人材の募集を行い、採用・雇用契約を結びます。現地の送り出し機関を通じた人材の紹介も行われています。

フィリピン本国のDMWへのOEC(海外就労証明書)申請などは、契約した現地の送り出し機関を介して行いますが、日本のMWO事務所への申請は受入れ先が行わなければなりません。

このMWOへの申請は非常に複雑であるため、時間と手間を省きながら採用を確実なものにするためにも、専門の代行業者を利用することが一般的です。

参考:フィリピン国籍の方々を特定技能フィリピン人として受け入れるまでの手続の流れ|法務省  

MWO申請サポートへの手数料

MWO申請サポートでは、企業のニーズに応じて様々なサポートプランを提供しています。

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プラン名主な内容税抜料金
フルサービスパック書類作成・翻訳・提出代行・面接通訳・送り出し機関紹介など、すべて含まれる98,000円
書類パックのみ英文申請書類作成+日本語翻訳+記入サンプルなどの一式45,000円
日本語サポートのみメール・電話での日本語サポート(記入確認や質疑応答など)45,000円
翻訳のみ日本語記入済内容を英語申請書へ翻訳記入45,000円
面接時通訳MWO面接時に立ち会う通訳者の手配45,000円
※別途、MWOへの実費(書類認証手数料など)が必要となります。また提携送り出し機関以外を利用の場合、全プラン8万円追加となります。

フィリピン独自の複雑な手続きは、専門家のサポートを得ることで、企業側の労力を削減できます。

自社がどんな申請代行サービスを必要としているかを良く見極めて、依頼なさって下さい。

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まとめ:介護分野の未来を担う特定技能人材の受け入れを成功させるために

高齢者の手を握る介護士

深刻な人手不足に直面する介護業界において、意欲と能力のある特定技能フィリピン人は、事業所のサービス品質を維持・向上させ、事業を継続していく上で欠かせない貴重な人材です。受け入れには、試験や要件の確認、煩雑な申請手続き、そして受け入れ後の継続的な支援など、多くのステップと配慮が必要となります。

いずれにしても特定技能「介護」の分野で外国人人材を受け入れるには、受け入れ先となる企業や事業所の担当者が制度やその仕組みを熟知していなければなりません。申請やその後の支援に関しても、専門機関の助けを得ることが一番の近道と言えるでしょう

特にフィリピン人人材を受け入れる際には、MWOへの申請も必須となります。MWO申請は複雑で手続きも面倒であるため、ぜひ専門の代行業者の利用を検討なさって下さい。

MWO申請サポートでは皆様のニーズに応じた、様々なサポートプログラムを提供しています

まずは一度、お気軽にご相談ください。

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