外国人雇用が企業にもたらす9つのメリットと注意点

外国人雇用 メリット

日本の多くの企業が、深刻な人手不足という共通の課題に直面しています。特に、少子高齢化が進む中、若年層の確保は年々難しさを増しており、既存の採用手法だけでは経営の継続性が危ぶまれる状況も生まれつつあります。

こうした現状を打破するため、外国人材の雇用を検討する企業が急速に増えています。しかし、外国人雇用がもたらすメリットは、単なる労働力確保にとどまりません。異なる文化や価値観を持つ人材を受け入れることは、企業の成長と変革を促す、新たな可能性を秘めた戦略的な選択肢となりえるのです。

当記事では、企業採用担当者様向けに、最新の公的データに基づいた現状の解説から、外国人を採用することが企業にもたらす具体的なメリットと注意点、さらに採用を成功させるための具体的なポイントまで、必要な情報を網羅的に解説します

外国人材が貴社にとって、未来の事業を支える強力なパートナーとなり得ることをきっとご理解いただけるはずです。

目次

外国人雇用が注目される背景と現状

履歴書を抱えて面接を待つ女性候補者。採用活動や就職面接のシーンを示すビジネスイメージ。

外国人雇用は、もはや一部のグローバル企業だけの対応ではありません。人口構造の変化が採用市場に直接影響を及ぼしており、多くの企業が中長期の経営戦略として外国人材の活用を検討するようになっています。

日本の人手不足の深刻化と少子高齢化の現状

日本の労働力人口は少子高齢化の進行に伴い長期的に減少しています。2025年時点での日本の総人口は約1億2,342万人ですが、そのうち65歳以上が約29.3%(約3,624万人)を占めており、労働人口が急速に減速していっています。

その結果、企業は採用計画どおりに若手を確保できない状況に直面しており、有効求人倍率は2024年の年平均で約1.25倍と高水準にあります。採用担当者なら、求人を出しても応募者が集まらない、あるいは求める技能を持つ人材が見つからないケースが増えてきているのを実感なさっているでしょう。

データで見る外国人労働者の拡大
  • 厚生労働省の届出ベースでは、令和6年10月末時点の外国人労働者数はおよそ230万人で、過去最多を更新しています(前年比 +253,912人)。
  • 出入国在留管理庁の集計では、2024年末時点の在留外国人数は370万人となっており、外国人労働者の家族、または留学生などを含めると、労働人口としてのキャパはさらに広がります。
国籍・産業別の傾向
  • 国籍別ではベトナム出身者が最多で、約57万人(全体の約25%)と高い割合を占めています。次いで中国、フィリピン、ネパールと続きます。
  • 産業別で最も多いのは製造業で、598,314人(全体の約26.0%)になります。卸売・小売・宿泊・飲食などの業種群にも多く従事しており、医療・福祉分野では近年の増加が顕著になっています。

こうした背景から、外国人材は単なる穴埋めではなく、将来の技術継承や競争力維持に資する「投資」として位置づけることが重要です。短期的な人手不足の解消にとどまらず、中長期の人材戦略の一部として計画的に受け入れを進めることが求められます。

参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ|厚生労働省

外国人雇用が企業にもたらす9つのメリット

サムズアップをしている男性

外国人雇用は、単に人手不足を解消するだけでなく、企業の競争力を根本から引き上げるさまざまなメリットをもたらします。ここで

は、特に重要な9つのメリットを具体的に解説します。

1. 人手不足の解消と若手人材の確保

日本の労働力人口が減少する中で、外国人材の受け入れは、企業の採用活動を根本から支える強力な手段となります。

特に、日本に移住する外国人材の多くは、20代から30代の比較的若い層で、母国で優れた教育を受けた人材も豊富です。彼らを積極的に採用することは、人材不足の解消だけでなく、企業が将来の成長に必要な若手人材を安定的に確保することにもつながるでしょう

このアプローチは、日本人若年層の争奪戦から一歩抜け出し、新たな採用チャネルを確立する戦略的な選択といえるでしょう。

2. 組織多様性の向上とイノベーション創出

異なる文化や価値観を持つ外国人材を受け入れることは、組織の同質性を打破し、社内に新たな視点や発想をもたらします。これは、経済産業省が提唱する「ダイバーシティ2.0 行動ガイドライン」にもあるように、イノベーションを創出し、企業価値を高めるための重要な経営戦略です。

異なる文化背景を持つ人材の参入は、単にアイデアが増えるというだけではありません。文化や思考様式を理解しようとする過程自体が、組織全体のコミュニケーション能力や適応力を高めるのです

既存の従業員が新たな価値観に触れることで、これまでの当たり前を客観的に見つめ直すきっかけが生まれ、結果として企業全体としての成長につながるでしょう。

3. 海外進出とグローバル展開支援

外国人材は、単なる労働力ではなく、企業の海外進出における重要な「キーパーソン」となり得ます。彼らが持つ母国の市場知識や商習慣、そして現地のネットワークは、海外市場への進出を円滑にし、ビジネスの早期成功に貢献するでしょう。

グローバル展開を考える企業は、とかく外国人材を翻訳・通訳者として捉えがちです。しかし彼らは企業の価値を「現地の文化や文脈」に即して伝えることができる、極めて戦略的な存在なのです

外国人材を「未来の事業推進者」として育成・登用する視点を持つことは、グローバル経営に不可欠な要素となりつつあります。これは、特に限られたリソースで海外展開を加速させたい中小企業にとって、強力な武器になるに違いありません。

4. 業務効率化と生産性向上

外国人材の採用は、既存の業務プロセスを客観的に見直す良い機会を提供します。異なる視点から業務手順を再評価することで、これまで属人化していた作業が可視化され、より簡潔で明確なマニュアル化が進む可能性があります。

言語の壁があるからこそ、マニュアルはより簡潔かつ明確に作成される必要が生じます。この「分かりやすさ」の追求は、日本人従業員にとっても業務理解を深め、効率を高めるという副次的なメリットをもたらします

この過程は、単なる業務改善にとどまらず、組織全体の情報共有のあり方、ひいてはコミュニケーション文化そのものを改善するきっかけにもなり得るでしょう。

5. 企業イメージの向上と社会的認知度の確立

多様な人材を積極的に受け入れ、国籍や文化に関係なく公正な処遇を提供する企業は、社会的責任を果たす企業として評価され、ブランド価値の向上につながります

こうした取り組みは、現代の求職者が企業を選ぶ際に重視する「価値観」や「社会的意義」と合致しており、採用活動において大きな強みとなるでしょう。

たとえば、イスラム教徒の社員のために「お祈り部屋」を設置するといった、文化的な配慮を行う企業は、対外的には企業の先進性を示すブランディングとなり、対内的には既存社員の異文化理解を深める教育機会にもなります。

従業員に対するこうした姿勢は、国内外から優秀な人材を引き付ける強力な魅力となるはずです。

6. 外国語対応による事業機会の拡大

日本語だけでなく、英語やその他の母国語を話せる人材を雇用することで、訪日外国人や海外顧客への対応力を高められます

特に宿泊業やサービス業、小売業などでは、インバウンド増加に伴う多言語対応の需要が今後さらに高まることが予想されており、外国人材の雇用は新たな顧客層を獲得し、事業を拡大するチャンスにつながるでしょう。

7. 活性化とモチベーションの向上

さまざまなバックグラウンドを持つ外国人材が加わることで、職場に新鮮な風が吹き込まれます。

既存の従業員は、新たな視点や考え方を得る機会が増え、業務に対するマンネリ化を防ぐことができるでしょう。

さらに異なる文化や働き方への価値観に触れることは、相互に刺激を与え合い、組織全体のモチベーション向上にもつながります

8. 新たなビジネスアイデアの創出

日本国内の従業員だけで構成されたチームでは、似たようなアイデアしか出てこないという壁にぶつかることも珍しくありません。

しかし、異なる視点や価値観を持つ外国人材が加わることで、これまで考えつかなかったような革新的なビジネスアイデアが生まれる可能性が高まります。

異文化の融合は、市場のニーズを多角的に捉え、革新的なサービスやビジネスアイデアの創出につながる可能性を広げます

外国人の雇用が、新たなビジネスチャンス創出の土壌となるでしょう。

9. 助成金や支援制度の活用

外国人材の雇用には、特定の条件を満たすことで利用できる助成金や支援制度が存在します。

たとえば、非正規雇用から正社員への転換を支援する「キャリアアップ助成金」や、外国人労働者への職業訓練費用を補助する「人材開発支援助成金」などが挙げられます

これらの制度を適切に活用することで、採用にかかるコストを軽減し、外国人材の能力開発を支援することが可能となります。ただし、助成金を利用するためには必要な要件を満たさなければなりません。

参考:ダイバーシティ2.0 行動ガイドライン|経済産業省

外国人雇用で企業が直面するデメリットと注意点

方眼紙の上に並べられた木製のアルファベットで『DEMERIT』と書かれた文字。ビジネスやサービスのデメリットを表すイメージ。

ここまで見てきたように、外国人雇用は企業に多くのメリットをもたらします。とはいえ、事前にそのデメリットや注意点を把握し、対策を講じることが成功には欠かせません。

ここでは、特に採用担当者が気をつけておくべき、外国人雇用に関する注意点をまとめました。

文化・習慣の違いによるコミュニケーションの壁

外国人材を雇用する上で、文化や習慣の違いによるコミュニケーションの壁は避けられない課題の一つです。日本は、言外の意味を察することが求められる「ハイコンテクスト文化」が根付いており、多くの外国人にとっては理解が難しい場合があります

例えば、上司が「この件、よろしくね」とだけ伝えることがよくありますが、外国人従業員にはその意図は伝わりづらいでしょう。細かな手順や優先順位、報告のタイミングなどをはっきりと示すことが重要です。

さらに業務時間や残業に対する価値観の違い、あるいは「報連相(報告・連絡・相談)」といった日本特有のビジネス習慣のずれから、業務の認識に齟齬が生じ、生産性が低下する事例もみられます。

このような問題の根底にあるのは、単なる言語の壁ではなく、仕事への価値観や責任の捉え方、時間感覚といった「文化の壁」なのです

外国人材に一方的に日本の文化を押し付けることは解決策とはなりえません。日本人社員も「異なる価値観がある」ことを認識し、より具体的で明確な指示やルールを徹底する「相互理解」の姿勢が何よりも大切となります。

在留資格や雇用手続きの複雑さ

外国人材を雇用する際は、在留資格の確認や申請手続きが必須となります。在留資格にはそれぞれ認められる就労内容が厳密に定められており、もし不適切な職務に従事させてしまうと「不法就労」とみなされるため、十分な知識が必要です。

また、雇用契約時の内容を外国人材が十分に理解していなかったり、在留資格の有効期限切れや更新忘れといった手続き上のトラブルが発生したりする事例も少なくありません。

この複雑な手続きは、企業側だけでなく、外国人材側にも不安を与え、ミスマッチや早期離職の原因となる可能性があります

専門的な知識の不足は、知らず知らずのうちに不適切な雇用条件を設定したり、適切な支援体制を構築できなかったりするリスクをはらんでいるため、専門家にサポートを求めることが必要になってくるでしょう。

雇用管理と現場運用の注意点

業務の割り当てや就業規則、賃金・労働時間の運用は、在留資格との整合性だけでなく職場の安全やコンプライアンスの観点からも明確にしておく必要があります

実務的には、業務フローや作業手順を文書化して多言語で共有する、定期的な面談で業務理解を確認する、トラブル時に相談できる窓口を社内外に用意する、といった対策が効果的です。

これにより誤解を未然に防ぎ、職場環境が期待できます。

企業が取るべき参取り組みのまとめ(実務上よく使われる方法)

  • やさしい日本語を用意して重要事項を伝える。
  • 業務手順や安全ルールを図式化・多言語化する。
  • メンター制度や定期面談で早期フォローを行う。
  • 在留期限の管理リストを作り、早めの更新サポートを実施する。
  • 不明点は行政書士、外国人雇用サービスセンターなど専門窓口に相談する。

外国人雇用は戦略的な人手確保の一手ですが、法令遵守と現場に根ざした受け入れ体制が不可欠です。

事業主は在留資格の確認義務や届出・更新管理を怠らないこと。現場では相互理解を前提にした明文化・見える化・相談体制を整え、必要に応じて専門家の助言を受けることをおすすめします。

参考:事業者向け受入れ・定着マニュアル ~外国人と一緒にはたらくために~ |厚生労働省

外国人雇用を始めるためのステップと在留資格の概要

黒いペンと『CONTRACT』と印字された契約書。ビジネス契約や合意締結を象徴するイメージ。

外国人雇用をスムーズに進めるには、日本人採用とは異なる特有のステップと在留資格制度の把握が不可欠です。採用の目的を明確化し、求める業務と在留資格の適合をまず確認してください。これが初動を左右します。

採用から入社までの具体的な流れ

外国人材を採用する場合、日本国内の求職者採用とは異なり、以下の6つのステップを踏むのが一般的です。

STEP
採用目的の明確化

なぜ外国人を採るのか、その理由を社内で整理します。担当業務を具体化すると、該当する在留資格が絞りやすくなります。

STEP
求人募集

外国人向け求人サイトや人材紹介、自治体の支援プログラムなどを活用します。募集要項には想定する在留資格や求めるスキルを明記すると誤解が減ります。

STEP
在留カードと在留資格の確認

応募があったら在留カードの実物で在留資格、在留期間、就労制限の有無を確認します。雇用が可能かをまずチェックしましょう。コピー保管は本人同意のもとで行ってください。

STEP
選考

日本語能力だけで判断せず、多角的に評価します。必要に応じ母国語や英語での面接を行い、業務理解を確かめてください。

STEP
雇用契約と在留資格申請

採用決定後、雇用契約を交わします。労働条件は母国語でも分かるように説明するのが望ましいです。ここで重要なのは手続きの区分です。国内に既に在留する候補者は「在留資格変更」が必要になる場合があります。

一方、海外在住の人材を呼び寄せる場合は、企業側が在留資格認定証明書(COE)を申請・取得し、その後候補者が在外で査証を取得する流れになります。手続き期間や必要書類を事前に確認してください。

STEP
入社準備と受け入れ

 住居や生活支援、業務オリエン、メンター制度や日本語教育の計画を用意します。入社後の在留期限管理や更新支援の窓口を決めておくと安心です。

実務の注意点

  • 在留資格で許可される業務範囲と実際の職務を必ず突合してください。
  • 在外採用はCOEの取得が前提です。時間がかかる場合があります。
  • 在留期限の管理体制を社内で整備してください。更新忘れがリスクになります。

主要な在留資格の概要

在留資格は「就労の可否」と「就労範囲」で大きく区分できます。

就労制限なし
代表例永住者、日本人の配偶者等、定住者。
特徴日本人と同等に原則就労制限がありません。
就労制限あり(就労が認められる資格)
代表例技術・人文知識・国際業務、介護、企業内転勤、特定技能など。
特徴それぞれ許可された分野・職務に従事することが前提です。
職務内容と在留資格の適合が採用可否の判断基準になります。
就労不可
代表例留学、短期滞在、研修、家族滞在(原則)。
補足留学生は「資格外活動許可」があれば一部就労が認められます(原則として週28時間まで。長期休暇中の取扱いは別途あり)。

特定技能に関する注意点

特定技能は2019年に創設された制度で、1号と2号に分かれます。主な違いは在留期間や家族帯同の可否、求められる技能水準や支援義務です。実務では「1号と2号どちらに該当するか」を確認し、支援計画や契約内容を設計してください。

参考:在留資格から探す | 出入国在留管理庁

成功事例に学ぶ!外国人材受け入れを円滑にするためのポイント

ANAの旅客機が山を背景に離陸する様子。

外国人雇用は課題が伴います。しかし、適切な知識と具体的な対策があれば、十分に克服可能です。

ここでは、受け入れに成功している企業の事例と、現場の声をもとにした実務的なポイントを紹介します。制度面の理解だけで終わらせず、現場に落とし込むことが肝要です。

定着率向上のための体制整備:ベネッセスタイルケアの事例

介護分野で実績のある企業は、単に人を採るだけでなく「受け入れる仕組み」を自社内に作っています。

ベネッセスタイルケアでは、特定技能制度や既存の在留者を戦略的に活用しつつ、生活面と業務面の両方で支援を内製化したことで、定着率の改善につなげています。具体的には次のような措置です。

  • 入社前後の生活オリエンテーションを実施し、住居手配や役所手続きの支援を行う。
  • 業務オリエンや安全教育を多言語ややさしい日本語で準備する。
  • 社内にメンターを置き、定期的な1対1フォローで早期離職の兆候をつぶす。

現場担当者は、「生活の不安を減らすと、仕事に集中できる時間が増えた」と述べています。

制度の柔軟な組み合わせ(例えばEPAや特定技能といった在留資格の使い分け)を行った点も特徴です。予期せぬ外部環境の変化に備え、複数の受け入れ経路を検討しておくと事業継続性が高まるでしょう。

参考:自社支援で人材定着!いち早く特定技能外国人を受け入れた事業者に聞く、「外国人介護スタッフの迎え方」|サポネット

異文化理解を促進する社内研修の重要性:ANA・カシオ等の事例

採用後のトラブルは、多くが言語や文化の相違に起因します。成功企業は、両方向の研修を体系化している点で共通しています。

例えば、ANAでは、業務に直結する日本語教育と接客想定の実践型トレーニングを組み合わせ、日常のやり取りに必要な表現を重点的に教えています。

これは単に語彙を増やすだけでなく、「どう確認するか」「分からないときにどう質問するか」をロールプレイで体得させるものです。

現場担当者は、導入後に「ちょっとした問題を現場で即処理できるようになった」と報告しており、報告頻度の増加や作業の手戻り削減という効果が見られます。

一方、カシオでは食堂メニューの多言語化や安全掲示の図示化、宗教的配慮を含む福利厚生の整備など、日常のストレス要因を潰す施策を段階的に導入しました。

現場からは「小さな配慮が安心感につながり、業務に集中できる時間が増えた」という意見が上がっています。こうした取り組みは、定着率の改善に寄与すると言えるでしょう。

参考:日本で働く外国人向け 職場のコミュニケーションとビジネスマナー研修|ANA
グローバル人事戦略 多様な人材活用の促進 働きやすい職場環境の提供 人材の登用と活用|カシオ計算機

事例から導く実務的ポイント

成功事例から学べることは、やはり相互理解に基づく企業側の取り組みの大切さでしょう

日本人社員向けには「異文化理解」や「やさしい日本語」の研修を実施し、外国人社員向けにはビジネスマナーや報連相の具体的運用を学ぶ場を設けるなどして、社内の一体感を育むことが重要です。

例えば、以下のような点を取り入れることができるでしょう。

  • 支援を「外注」で完結させない
    • 外部の支援サービスは有益です。ただし生活支援や初期研修の主要部分を社内で担うと、きめ細かいフォローができます。
  • 研修は“両輪”で設計する
    • 日本人向けの異文化研修と、外国人向けの実務研修を同時に実施すると効果が高いです。研修後は必ず現場での実践を設け、フィードバックを回しましょう。
  • メンター制度の活用
    • メンター制度を設け、入社3ヶ月・6ヶ月など、定期的な面談を通して意思疎通を図りましょう。

外国人材の受け入れは、単なる採用活動ではありません。制度の理解を基盤に、生活支援・研修・継続フォローを組み合わせることで、定着率が向上し、組織の生産性やレジリエンスを高めます。

まずは小さな施策から始めて、一定期間で効果を測り、改善を繰り返すことが重要です。

最新動向:技能実習制度から育成就労制度への移行が外国人材採用に与える影響

土の上に並んだ芽を手で育てる様子。ビジネス成長や人材育成を象徴するイメージ。

外国人材の採用を考える上で、無視できない大きな変化が進行しています。2024年6月14日、技能実習制度に代わる新たな在留資格「育成就労制度」を創設する関連法が国会で可決・成立しました。この新制度は、今後の外国人材採用市場のあり方を根本から変える可能性があります。

制度の概要と特定技能との関係

育成就労制度は、外国人材を日本の労働力として「育成」することを主な目的としています。これは、入国時点で一定の専門性や技能を持つ「即戦力」を想定する特定技能制度とは異なる点です。

育成就労制度での在留期間は原則3年とされ、その間に日本語能力や技能を習得した上で、特定技能へとスムーズに移行できる設計がなされています。

企業採用への影響

新制度の導入は、企業に複数の影響をもたらします。最も大きな変化の一つが「転籍の自由」でしょう。育成就労制度では、一定の条件を満たせば、同一分野内での転職が認められることになります

これまでの技能実習制度では原則として転籍が不可能であったため、外国人材は同じ企業で働き続けることが前提でしたが、今後はより良い労働条件や職場環境を求めて転職する可能性が高まるでしょう。

この転籍の自由化は、企業に外国人材から「選ばれ続ける」ための努力をより一層求めることになります。単に採用するだけでなく、外国人材が長期的に働きたいと思えるような魅力的な職場環境、公正な労働条件、そして充実した支援体制を構築することが、企業の競争力を左右する鍵となるはずです。

また、将来的には、育成就労制度を終えた外国人材が特定技能へと移行することが制度の骨子ともなっています。これにより、日本国内での人材確保がより柔軟になり、国内での人材「育成」と「定着」戦略をより重視する必要が出てくると考えられます。

採用担当者は新制度の動向を注視し、時代の変化に合わせた人材採用戦略を構築することが求められます。

参考:育成就労制度・特定技能制度Q&A | 出入国在留管理庁

フィリピン人採用に必須のMWO申請と代行サービス

ノートパソコンを操作する人と、隣で書類に記入する人物。申請代行のビジネスミーティングや資料作成を行う様子を表すイメージ。

日本人企業が雇用する外国人で、特に人気があるのがフィリピン人材です。彼らは高いコミュニケーション能力やホスピタリティ精神、明るい国民性などから、サービス業や介護分野、建設業界にIT業界など、幅広い分野で活躍しています。

しかしフィリピン人を雇用するには、日本側の手続きに加えて、MWOへの申請も行わなければなりません

以前はPOLOという名称で知られていたMWOは、フィリピンのDMW(移住労働者省)の海外出先機関であり、日本では東京と大阪にMWO事務所が設置されています(駐日フィリピン共和国大使館・総領事館内)。 

DMWとMWOはフィリピン人労働者の権利保護、福祉の向上、海外雇用の促進と管理を一元的に行うことを目的としています。そのため、国外からフィリピン人を採用する際には、MWOへの申請が義務付けられています。すでに日本国内に在留しているフィリピン人の場合には、MWO申請は必要ありません。

MWOへの申請手続きは、一般的に以下の流れで進みます。

手順
STEP
申請書類の提出

まず必要な申請書類や資料を準備し、MWO(東京または大阪の事務所)に届出(郵送)します。

STEP
MWOによる審査と承認

次に、MWOによって提出された書類に基づいて審査が行われ、雇用契約の内容などが適切であると判断されれば、フィリピン政府から正式な認証が得られます。この承認によって、フィリピン人人材の募集活動が行えるようになります。

STEP
フィリピン人人材の採用

フィリピン人人材の募集を行い、採用・雇用契約を結びます。

このMWOへの申請は非常に複雑であるため、時間と手間を省きながら採用を確実なものにするためにも、専門の代行業者を利用することが一般的です。

MWO申請サポートへの手数料

MWO申請サポートでは、企業のニーズに応じて様々なサポートプランを提供しています。

プラン名主な内容税抜料金
フルサービスパック書類作成・翻訳・提出代行・面接通訳・送り出し機関紹介など、すべて含まれる98,000円
書類パックのみ英文申請書類作成+日本語翻訳+記入サンプルなどの一式45,000円
日本語サポートのみメール・電話での日本語サポート(記入確認や質疑応答など)45,000円
翻訳のみ日本語記入済内容を英語申請書へ翻訳記入45,000円
面接時通訳MWO面接時に立ち会う通訳者の手配45,000円
※別途、MWOへの実費(書類認証手数料など)が必要となります。また提携送り出し機関以外を利用の場合、全プラン8万円追加となります。

フィリピン独自の複雑な手続きは、専門家のサポートを得ることで、企業側の労力を削減できます。

自社がどんな申請代行サービスを必要としているかを良く見極めて、依頼なさって下さい。

\ 詳しくはこちらから /

まとめ:外国人雇用で企業を成長させる

スーツ姿の人物が発光する上昇グラフを指差す様子。ビジネス成長や成功戦略を象徴するイメージ。

外国人雇用は、現代の日本企業が直面する人手不足という課題を解決するだけでなく、組織に多様性をもたらし、イノベーションを創出し、グローバル化を推進する重要な戦略です。

企業には外国人雇用を単なる「労働力」の確保ではなく、「未来の事業を共に創り上げていくパートナー」と捉える姿勢がますます重要になってくるでしょう。デメリットや課題は確かに存在しますが、それは適切な知識と専門的なサポートによって十分に克服可能なものばかりです。

特にフィリピン人を雇用する場合には、MWOへの申請も必須となります。MWO申請サポートでは企業のニーズに合わせて、フィリピン人雇用を成功させる様々サービスを提供しています

まずは一度、お気軽にご相談ください。

\ ご相談はこちらから /

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