介護分野の人手不足を解消!特定技能外国人の受け入れ完全ガイド

深刻な人手不足が続く日本の介護業界では、多くの事業者が人材確保に頭を抱えています。こうした状況を打開する方法として、近年注目を集めているのが「特定技能」在留資格を活用した外国人材の受け入れです。
特定技能制度は、改正出入国管理法の施行に伴い2019年4月に新設され、即戦力となる専門性・技能を有する外国人を確保するために設けられた枠組みです。とはいえ、「技能実習制度との違いは?」「受け入れに必要な要件や手続きは?」といった疑問を抱え、まだ導入に踏み切れていない企業・事業所も少なくありません。
本記事では、介護分野で特定技能外国人の採用を検討されている企業ご担当者様向けに、制度の概要から、受け入れに必要な要件・手続きの流れや注意点、2025年の最新情報までを体系的に解説します。人材不足という大きな課題を克服し、事業の安定的な成長を支える一手として、ぜひ参考になさってください。
介護分野における特定技能とは?制度の基本を理解する

まず初めに、特定技能制度そのものについて整理しましょう。制度の趣旨を正しく把握することが、受け入れを成功させる第一歩です。
特定技能制度の概要と目的
特定技能制度は、国内で人手確保が難しい産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れるために、改正出入国管理法の施行に伴い2019年4月に創設された在留資格です。深刻化する労働力不足を背景に、即戦力となる人材を確保する国の施策として位置づけられています。
介護分野が対象となった背景と現状
介護分野は少子高齢化の影響でサービス需要が急増し、常に深刻な人手不足に直面しています。こうした事情から、制度創設当初より特定技能の対象分野に「介護」が含まれ、多くの介護事業者が新たな人材確保の選択肢として注目しています。
出入国在留管理庁の公表によると、2023年12月末時点での特定技能在留外国人数(1号・2号合計)は約28万人です。そのうち、介護分野で活動する「特定技能1号」保持者は約44,000人で、全体の約15%を占めています。介護分野の外国人は介護施設や訪問介護事業所などで活躍し、高齢者ケアの即戦力として期待されています。
- 特定技能1号
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相当程度の知識または経験を必要とする業務に従事するための在留資格です。介護分野はまずこちらでの受け入れが基本となり、在留期間は通算5年が上限、家族帯同は原則認められません。
- 特定技能2号
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熟練した技能を要する業務に従事する人材向けの在留資格で、在留期間の更新に上限はなく、要件を満たせば家族帯同も可能です。なお、介護分野は現時点で2号の対象に含まれておらず、今後の法改正や運用開始を待つ必要があります。
技能実習制度は、日本で培った技術・知識を開発途上国へ移転し「人づくり」に寄与する国際協力が目的です。一方、特定技能制度は国内の労働力不足に対応し、即戦力としての雇用を促進する目的で設けられています。この違いから、特定技能では同一業務区分内での転職が可能であり、事業計画に組み込みやすい仕組みとなっています。
参考:
特定技能在留外国人数の公表等 | 出入国在留管理庁
特定技能制度 | 出入国在留管理庁

特定技能「介護」で外国人材が従事できる業務内容

特定技能「介護」の在留資格を持つ外国人は、具体的にどのような業務に従事できるのでしょうか。受け入れ後のミスマッチを防ぐためにも、業務範囲を正確に把握しておくことが重要です。
基本的な業務範囲
特定技能外国人が従事する主な業務は、介護利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等の「身体介護」です。それに加えて、レクリエーションの実施や機能訓練の補助といった「その他付随する支援業務」も業務範囲に含まれます。
具体的には、以下の業務が想定されています。
- 身体介護(入浴、食事、排泄、移乗介助など)
- 利用者の身の回りのお世話(清掃、洗濯など)
- レクリエーションの企画・実施
- 機能訓練の補助
- 介護記録の作成
- 送迎業務(要運転免許)
訪問系サービスへの従事は可能か?(留意点)
訪問介護や訪問入浴といった「訪問系サービス」については、注意が必要です。これらのサービスは、利用者宅という閉鎖された空間で、介護職員が一人でサービス提供を行う場面が多く、不測の事態への対応や指示・管理体制の確保が難しいという特性があります。そのため、特定技能外国人が訪問系サービスに従事することは、現行の制度上、認められていません。
日本人が通常行う関連業務にも従事可能
事業所において日本人介護職員が通常行っている関連業務(例:物品の整備、補充、掲示物管理、清掃、利用者の送迎など)に付随的に従事できます。ただし、主たる業務が身体介護であることが前提であり、関連業務のみを行うことはできません。
参考:
特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description) | 出入国在留管理
特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領|法務省
【外国人材の要件】受け入れ対象となる外国人の基準

特定技能「介護」の在留資格を取得するには、介護業務に必要な技能と日本語能力の両面で所定の水準をクリアしていることが前提です。採用候補者が以下の要件を満たしているか、面接前にしっかりと確認しましょう。
必要な3つの試験
- 介護技能評価試験
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介護の基本から心と体のしくみ、コミュニケーション技術、生活支援技術まで、現場で求められる知識・技術を幅広く問うCBT方式の筆記試験です。
国内外のPrometricテストセンターで受験できるため、地方や海外在住の方にも受験機会があります。
- 介護日本語評価試験
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利用者の状態把握や報告・連絡・相談など、介護現場で実践的に必要な日本語運用能力を測るCBT方式の試験です。
介護技能評価試験と同時に申し込めるため、まとめて受験したい方に便利です。
- 基礎日本語能力の証明
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日常生活や業務遂行に必要な基礎的日本語力として、いずれかの合格が必要です。
- 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2相当以上
- 日本語能力試験(JLPT)N4以上
これら三つの試験にすべて合格することで、特定技能「介護」の在留資格申請要件を満たします。
参考:介護分野における特定技能外国人の受入れについて | 厚生労働省
技能実習2号から特定技能1号への移行要件
介護分野で技能実習2号を良好に修了した外国人は、以下の試験が免除されたうえで特定技能1号へ移行できる可能性があります。実習期間中に培った実務経験と日本語運用能力が、即戦力として十分と認められるためです。
- 介護技能評価試験
- 介護日本語評価試験(JFT-BasicまたはJLPT N4)
企業側のメリット | 試験手配や受験準備の手間が不要になり、採用コストと手続き期間を大幅に削減 日本の業務・生活環境にすでに適応した人材を引き続き雇用できるため、早期戦力化と定着率向上が見込める |
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外国人材側のメリット | 慣れた職場で就労を継続できるため、生活の安定とキャリアの連続性を確保 在留資格変更手続きが簡素化され、申請負担が軽減 |
企業はこの移行ルートを戦略的に活用し、技能実習生との信頼関係を維持しつつ、安定的かつ効率的な人材確保を実現しましょう。
参考:特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合) | 出入国在留管理庁

受け入れ企業の要件

日本の企業が特定技能外国人材を受け入れる際には、外国人材の権利を保護し、適正な制度運用を確保するために、厳格な法的要件を満たす必要があります。特定技能所属機関(受入企業)は、以下の受入要件と雇用契約基準に基づき、適切な環境整備を行うことが義務づけられています。
特定技能所属機関が満たすべき基準
企業は以下の項目すべてを満たす必要があります。
項目 | 内容 |
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法令遵守 | 労働関係、社会保険、税務関連の法令を遵守していること。 |
非自発的離職・失踪者の有無 | 過去1年以内に同種の業務に従事する日本人労働者の非自発的離職(例:解雇)を行っておらず、外国人材の失踪者も発生していないこと。 |
欠格事由に該当しないこと | 過去5年以内に出入国管理及び難民認定法や労働法等の重大違反がないこと(企業または役員)。 |
保証金等の禁止 | 保証金の徴収、違約金付き契約等により外国人の意思を不当に拘束していないこと。 |
書類の保管 | 雇用契約書、賃金台帳、支援計画書等の関係書類を適切に作成・管理し、契約終了後も1年間以上保管すること。 |
報酬の支払い方法 | 銀行振込など、客観的に確認可能な方法で支払うこと。 |
分野固有要件の遵守 | 所管省庁が定める固有の基準を満たしていること。 |
これらの基準に違反した場合、不法就労助長罪や受入停止(1年、3年、5年など)の行政処分が科される可能性があります。企業はこれらの基準を単なる「義務」としてではなく、外国人材との信頼構築と持続的な共存の基盤と捉えるべきです。
雇用契約に関する要件
特定技能所属機関は、外国人材と以下の基準を満たす雇用契約を締結しなければなりません。
項目 | 内容 |
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業務内容の適合性 | 契約業務が特定技能の分野定義と一致しており、単なる周辺業務に専ら従事させていないこと。 |
労働時間の公平性 | 同一の事業所に勤務する日本人正規雇用労働者と同等の所定労働時間であること。 |
報酬の公平性 | 報酬は日本人と同等以上であること。国籍による差別的取り扱いは禁止。銀行振込等で支払う必要がある。 |
一時帰国の配慮 | 外国人材が希望する場合、企業は一時帰国のための休暇を与えること。 |
帰国旅費の負担 | 契約終了後、帰国旅費を本人が負担できない場合は企業が負担し、必要な措置を講じる義務がある。 |
このような基準は、外国人材の待遇が不当に不利にならないよう配慮されたものであり、長期的な就労継続と相互信頼の醸成に寄与します。
支援計画と登録支援機関の活用
特定技能1号の外国人材を受け入れる際、企業は「1号特定技能外国人支援計画」を策定し、実施する義務があります。支援内容は次の通り、10項目の義務的支援を含みます。
支援項目 | 内容概要 |
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事前ガイダンス | 労働条件・活動内容・入国手続き等の説明(母語または理解できる言語で実施) |
出入国時の送迎 | 入国時の空港→住居、帰国時の住居→空港までの送迎支援 |
住居・生活継続支援 | 住宅確保、口座開設、携帯・ライフライン契約等の支援 |
生活オリエンテーション | 防災情報、マナー、公共施設の使い方などの案内 |
公的手続き同行 | 住民票登録、社会保険加入等の行政手続き支援 |
日本語学習機会提供 | 教材提供や語学学校紹介など |
相談・苦情対応 | 職場や生活の悩みへの相談体制(外国人が理解できる言語で対応) |
日本人との交流促進 | 地域イベント参加などの情報提供 |
転職支援(やむを得ない場合) | 雇用終了時の再就職先確保や推薦状作成など |
面談・通報 | 3ヶ月に1回の面談、法令違反があれば行政通報 |
これらの支援を企業がすべて自社で行うことも可能ですが、登録支援機関に委託することもできます。特に中小企業にとっては、支援内容の不履行リスクを低減し、制度適用を円滑に進めるためにも、登録支援機関の活用が現実的な選択肢となります。
登録支援機関の役割
「1号特定技能外国人支援計画」の策定と実施は、受け入れ機関の義務ですが、その全てを自社で行うのは大きな負担となる場合があります。そこで活用できるのが「登録支援機関」です。
登録支援機関は、出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関で、受け入れ機関に代わって支援計画の全部または一部を実施することができます。専門的な知識と経験を持つ機関に委託することで、受け入れ機関は法令を遵守した適切な支援を確実に行うことができます。
- 自社支援と委託のメリット比較
支援の実施主体 | メリット | 留意点 |
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自社 | コストを抑えられる | 多言語対応や継続的なフォロー体制の整備が必要 |
登録支援機関 | 専門知識とノウハウで確実に支援業務を実施できる法令違反リスクを低減 | 委託費用が発生し、連携窓口の調整や情報連携が必要 |
登録支援機関を賢く活用することで、企業は安心して外国人材の定着支援に注力でき、本業への影響を最小限に抑えられます。
登録支援機関を選ぶ際は、費用だけでなく、介護分野での支援実績、対応可能な言語、担当者とのコミュニケーションのしやすさなどを総合的に比較検討することが重要です。
特定技能「介護」の申請手続きの流れ

特定技能の在留資格を申請する際、外国人材が「海外にいる場合」と「日本国内に在留している場合」とで、手続きや必要書類が異なります。以下、それぞれの流れを解説します。
技能測定試験、および日本語能力試験(JFT-BasicまたはJLPT N4)に合格する必要があります。なお、介護分野の技能実習2号を「良好に修了」した場合、これらの試験は免除されます。
対象者と雇用契約を結び、特定技能1号の場合には支援計画を策定・実施します。
受入れ企業が、外国人材の代理人として地方出入国在留管理局に申請を行います。標準的な審査期間は1ヶ月から3ヶ月です(※特に1月〜3月の繁忙期は遅延の可能性あり)。
要件を満たしていると判断されれば、出入国在留管理庁から在留資格認定証明書が交付されます。証明書の有効期間は発行日から3か月以内で、この期間内に入国しなければなりません。
外国人材は証明書を持参し、本国の日本大使館または領事館で就労ビザを申請します。発給には数営業日を要するのが一般的です。ビザが発給された後、入国時に空港で在留カードが交付され、正式に就労を開始できます。
すでに日本に在留している外国人(例:留学生、技能実習生など)が特定技能へ在留資格を変更する場合、原則として技能試験および日本語試験の合格が必要です。技能実習2号修了者はこれらの試験が免除されます。
海外から招聘する場合の手順と同様。
受入れ企業が、外国人材の代理で地方出入国在留管理局へ申請を行います。標準的な処理期間は2週間〜1ヶ月程度とされています。
審査が完了し、許可が下りれば、新しい在留カードが交付され、特定技能外国人としての就労が正式に開始されます。
在留資格の申請手続きは、多くの書類や細かい規定が関わるため、書類不備や記載ミスが申請不許可の原因となることがあります。特に初めて外国人材を受け入れる企業にとっては、手続きの煩雑さが大きな負担となる可能性があります。このようなリスクを避けるためにも、専門の代行業者等に手続きを委託することが推奨されます。適切な支援を受けることで、スムーズな人材受け入れと安定した雇用環境の構築が可能になります。
介護特定技能協議会への加入
介護分野で特定技能外国人を受け入れるすべての事業者は、在留資格「特定技能」申請前までに「介護分野における特定技能協議会」への加入が義務づけられています。加入によって、省庁や関係団体との情報共有や連絡調整を図り、制度の適正運用と外国人材の保護を強化します。
- 受け入れ機関どうしが最新の運用ルールや事例を共有
- 問題発生時に迅速な連絡体制を確保
- 外国人材の安全・定着支援に関する情報交換
- 協議会事務局のオンラインシステムで仮登録
- 本登録で法人・事業所情報と受け入れ外国人の在留資格情報を入力
- 事務局および厚生労働省による確認後、入会証明書が発行
- 協議会名簿に掲載され、以後は定期報告を開始
加入が未了のまま4か月を経過すると、在留資格認定証明書の交付や在留資格変更申請が許可されない可能性があるため、ご注意ください。

企業が知るべき特定技能「介護」受け入れの注意点

制度を有効に活用するためには、いくつかの注意点を事前に把握しておく必要があります。トラブルを未然に防ぎ、良好な関係を築くために重要なポイントです。
転職の可能性について
技能実習と異なり、特定技能外国人は、同一の業務区分内(介護分野内)であれば、本人の希望によって転職することが可能です。人材の定着を図るためには、日本人職員と同様に、良好な労働条件や職場環境の整備、キャリアパスの提示などが一層重要になります。
受入れ人数の上限について
介護分野では、特定技能1号外国人の受け入れ人数に上限が設けられています。具体的には、「事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数」を超えない範囲とされています。むやみに外国人人材だけで人員を増やすことはできず、日本人職員の雇用と両立させることが求められます。
出典:特定技能外国人受け入れる際のポイント|出入国在留管理庁
介護特定技能協議会への加入と協力義務
前述の通り、介護特定技能協議会への加入は義務です。加入後は、協議会が行う連絡調整や調査、指導・助言に対して必要な協力を行わなければなりません。これを怠ると、特定技能外国人の受け入れができなくなる可能性があります。
定期的な届出義務
受け入れ企業は、特定技能外国人の受け入れ状況や活動状況、支援計画の実施状況などについて、四半期ごとに地方出入国在留管理庁へ定期的な届出を行う義務があります。その他、随時の届出(雇用契約の変更、本人の離職など)もあり、これらの事務手続きを正確に行うことが求められます。
参考:
特定技能外国人の受け入れる際のポイント|出入国在留管理庁
介護分野 | 出入国在留管理庁
育成就労制度の新設と特定技能制度への影響

2024年6月、技能実習制度を発展的に解消し、新たに「育成就労制度」を創設する改正出入国管理法が可決・成立しました。介護分野をはじめとする人手不足が深刻な産業において、人権侵害の防止と人材確保・育成の両立が図られる大きな転換点となります。
項目 | 内容 |
---|---|
改正法の可決・成立 | 2024年6月14日、技能実習制度を発展的に解消し育成就労制度を創設する改正出入国管理法が参議院本会議で可決・成立 |
育成就労制度の概要 | 原則3年の就労期間を通じて、特定技能1号相当の技能水準まで育成する。人権侵害防止と人材育成・確保の両立を図る |
主な変更点(転籍自由化) | 同一業務区分内かつ所定年数以上の就労などの要件を満たせば、本人の意思で転籍(転職)が可能。労働者の権利尊重が強化 |
特定技能制度との連携・将来見通し | 育成就労修了後は特定技能1号への移行を前提に設計。将来的には2号移行も視野に入れたキャリアパスが示されており、今後の省令・運用要領の整備が待たれます。ただし、介護分野ではいわゆる「介護ビザ」があるため、2号への移行は現時点での予定はなし |
施行時期 | 改正法は公布後3年以内に施行と規定。最速で2027年6月頃の開始が見込まれる |
特定技能1号から在留資格「介護」への移行方法

特定技能1号として介護業務に従事してきた外国人材も、介護福祉士の国家試験に合格し、日本語能力要件を満たせば「在留資格 介護」へ変更し、より長期的に日本で活躍できます。移行の流れは次のとおりです。
ステップ | 内容 | 参考 |
---|---|---|
1. 介護福祉国家資格号学 | 特定技能1号在留期間(最長5年)内に、実務者研修修了要件および3年以上の実務経験を満たしたうえで国家試験に合格 | 介護福祉士国家試験の概要について|厚生労働省 |
2. 日本語能力試験 | 在留資格「介護」では日本語能力試験N2相当以上の合格が必要。JLPT N2合格証書または同等の能力証明を用意 | 在留資格「介護」 | 出入国在留管理庁 |
3. 在留資格変更許可申請の提出 | 地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請を行う。申請書類をそろえ、窓口またはオンラインで提出 | 在留資格変更許可申請 | 出入国在留管理庁 |
備考 | 在留期間満了の2~3か月前を目安に申請を完了させる。審査には通常1~2か月かかるため、余裕をもってスケジュールを設定 | 在留資格「介護」 | 出入国在留管理庁 |
特定技能1号で就業中の外国人材を、より安定した在留資格「介護」へ移行させることは、長期的・継続的な人材確保につながるため、企業にとってもメリットがあります。
MWO申請|特定技能フィリピン人の受け入れのために

特定技能の分野でフィリピン人人材を雇用する場合、ここまで考慮した点とは別に、MWOへの申請も必須となります。
以前はPOLOという名称で知られていたMWOは、フィリピンのDMW(移住労働者省)の海外出先機関であり、日本では東京と大阪にMWOが設置されています(駐日フィリピン共和国大使館・総領事館内)。
DMWとMWOはフィリピン人労働者の権利保護、福祉の向上、海外雇用の促進と管理を一元的に行うことを目的としています。そのため、特定技能「介護」でフィリピン人を採用する際にも、MWOへの申請が義務付けられています。
MWOへの申請手続きは、一般的に以下の流れで進みます。
まず必要な申請書類や資料を準備し、MWO(東京または大阪の事務所)に送付(郵送)します。
次に、MWOによって提出された書類に基づいて審査が行われ、雇用契約の内容などが適切であると判断されれば、フィリピン政府から正式な承認の印とも言える認証が得られます。この承認によって、フィリピン人人材の募集活動が行えるようになります。
フィリピン人人材の募集を行い、採用・雇用契約を結びます。
フィリピン本国のDMWへのOEC申請などは、契約した現地の送り出し機関を介して行いますが、日本のMWO事務所への申請は受入れ先が行わなければなりません。
このMWOへの申請は非常に複雑であるため、時間と手間を省きながら採用を確実なものにするためにも、専門の代行業者を利用することが一般的です。
参考:フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ|法務省

まとめ:介護分野の未来を担う特定技能人材の受け入れを成功させるために

深刻な人手不足に直面する介護業界において、意欲と能力のある特定技能外国人は、事業所のサービス品質を維持・向上させ、事業を継続していく上で欠かせない貴重な人材です。受け入れには、試験や要件の確認、煩雑な申請手続き、そして受け入れ後の継続的な支援など、多くのステップと配慮が必要となります。
なお、外国人介護人材の受け入れには、特定技能制度以外にもEPA(経済連携協定)ルートなど複数の制度があります。それぞれに要件・支援体制・在留資格が異なるため、受け入れ目的や人材の育成方針に応じて適切な方針を打ち立てることが、将来を見据えた人材戦略に繋がります。
いずれにしても特定技能「介護」の分野で外国人人材を受け入れるには、受け入れ先となる企業や事業所の担当者が制度やその仕組みを熟知していなければなりません。申請やその後の支援にかんしても、専門機関の助けを得ることが一番の近道と言えるでしょう。
特にフィリピン人人材を受け入れる際には、MWOへの申請も必須となります。MWO申請は複雑で手続きも面倒であるため、ぜひ専門の代行業者の利用を検討して下さい。
MWO申請サポートでは皆様のニーズに応じた、様々なサポートプログラムを提供しています。
まずは一度、お気軽にご相談ください。