技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザの在留期間を徹底解説【2025年】

技人国 ビザ 期間

日本社会は、少子高齢化による労働力不足という深刻な課題に直面しています。このような状況において、外国人材を活用することが、企業の持続的な成長と競争力強化に不可欠な戦略の一つとして位置づけられています。

特に、専門的な知識や技術を持つ外国人材を受け入れるための在留資格である「技術・人文知識・国際業務」ビザ(以下、技人国ビザ)は、その中核をなす制度です。

本記事では、企業採用担当者の皆様が外国人材を安心して採用し、長期的に活躍してもらうために、技人国ビザの「期間」に焦点を当て、その取得・更新要件、不許可事例と対策、企業側の義務、そして具体的な支援策までを網羅的に解説します

最新の法改正情報や統計データも踏まえ、信頼性の高い実践的な知識を提供しますので、ぜひ参考になさってください。

目次

そもそも技人国ビザとは?

マーケティング部で分析をしている外国人社員

技人国ビザは、特定の専門分野の業務に従事する外国人のための就労ビザです。

技人国ビザはその名の通り、「技術」「人文知識」「国際業務」という3つの柱で構成されています。

技術

この分野は、理学、工学、その他の自然科学の分野に属する技術または知識を必要とする業務を対象とします。具体的には、ITエンジニアやプログラマー、機械工学等の技術者、システム開発者などが該当します。ポイントは、大学などで修得した専門的な科学的知識を直接的に活用する業務であることです。例えば、システムエンジニアとして情報処理技術を駆使してシステムを設計・開発する活動がこれにあたります。

人文知識

こちらは、法律学、経済学、社会学、その他の人文科学の分野に属する知識を必要とする業務が対象です。いわゆる文系職の多くがこのカテゴリーに含まれます。例えば、企業の企画部門での商品開発、営業、マーケティング、経理、総務、法務といった職務が考えられます。大学の経済学部で学んだ知識を活かして、企業の財務分析や経営企画を行うケースなどが典型例でしょう。

国際業務

最後に、外国の文化に基盤を有する思考または感受性を必要とする業務を指します。これは、単に語学力が高いだけでは認められません。「外国人ならではの視点や感性」が業務に不可欠であることが求められます。具体的な職種としては、翻訳・通訳、語学教師、海外との取引業務、外国の文化や流行を取り入れた広報・宣伝、デザイナー・商品開発(外国の文化的感受性を前提とする)などが挙げられます。例えば、海外の顧客向けに現地の文化や習慣を踏まえたマーケティング戦略を立案する業務は、この分野に該当する可能性が高いと言えます。

他の就労ビザとの違い

日本の就労ビザには様々な種類があります。技人国ビザの位置づけを明確にするために、他の代表的な就労ビザと比較してみましょう。

特定技能ビザとの違い

「特定技能」は、国内人材の確保が困難な特定の産業分野(介護、建設、外食業など)において、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。技人国ビザが大学卒業レベルの専門知識を要する人材を主な対象としているのに対し、特定技能はより現場での実践的なスキルが求められる業務が中心となります。

高度専門職ビザとの違い

「高度専門職」ビザは、学歴、職歴、年収などの項目をポイント化し、合計が一定点数(70点以上)に達した高度な能力を持つ人材に対して付与される、優遇措置の多い在留資格です。技人国ビザの要件を満たす人材が、さらに高い能力を持つ場合に取得できる、いわば上位資格と考えられています。最長5年の在留期間が原則として付与されたり、永住許可要件が緩和されたりするメリットがあります。

参考:
特定技能制度 | 出入国在留管理庁
在留資格「高度専門職」(高度人材ポイント制) | 出入国在留管理庁

技人国ビザの「在留期間」とは?基礎知識と決定基準

期間をイメージした砂が落ちている砂時計

技人国ビザを無事に取得できたとしても、ずっと日本に滞在できるわけではありません。技人国ビザには「在留期間」、つまり外国人材が日本に滞在し就労できる期間が定められています。

そして与えられる在留期間は一律ではなく、申請内容を踏まえて出入国在留管理庁が個別に指定します。

在留期間の種類と一般的な傾向

在留期間には、5年、3年、1年、3ヶ月の四種類があります

初回申請や日本での就労実績が乏しい場合、実務上は1年が指定されることが多いとされていますが、それも全て審査次第です。また最近は高度専門職ビザとの兼ね合いから初回でも3年または5年の在留期間が出されることもあるようです。

ただし、初回の在留期間が1年または3ヶ月であったとしても、更新を重ねることで3年や5年が認められる可能性が高まります。

在留期間決定の法的根拠

法令には「法務大臣が特別な理由を考慮し、一定の在留期間を指定する」とのみ規定されています。

加えて、一度指定された在留期間については行政不服審査法による不服申し立ての対象外となっています。

実務上の判断材料

在留期間の指定については、以下の要素が考慮されます。

  • 外国人材の経歴
    • 関連分野での実務経験や学歴の高さは、長期在留を示唆する要因となります。
  • 企業の安定性
    • 報酬が日本人同等以上であることや、経営基盤・実績が安定していることは、長期雇用の可能性を裏付けます。
  • 雇用契約の内容
    • 契約期間や将来のキャリアパスが明確であれば、安定した就労意志を示す材料として重視されます。

初期在留期間の意義と支援のポイント

出入国在留管理庁は、初期に与えられる在留期間を短くして、申請者の適応状況を慎重に見極める場合があります。

企業側は、この期間中に外国人材が日本の労働環境や文化に馴染めるよう支援計画を立案し、更新時に「安定した仕事・生活」という判断基準を満たせるよう努めましょう。結果として、ビザの長期化につながる成長曲線を描くことが可能です。

参考:在留資格「技術・人文知識・国際業務」 | 出入国在留管理庁

技人国ビザの更新

申請に必要なパスポート

定められた在留期間の期限を迎え、引き続き同じ資格で日本に滞在して働き続けるには、在留期間の更新手続きを行わなければなりません。

この手続きを、在留期間更新許可申請と言います。

申請期間と提出者

申請は在留期間満了日の概ね3ヶ月前から可能です。ただし、入院や長期出張などの特別事情がある場合は、満了日の3ヶ月以上前でも受け付けられます。早めに申請することで、書類不備や追加資料の提出要請があっても余裕をもって対応できます。

申請書の提出は原則として本人ですが、法定代理人や行政書士といった取次者が代行でき、本人の出頭は不要です。ただし、申請人本人が日本国内に在留していることが前提となります。

更新申請に必要な共通書類

申請には次の書類を用意してください。

  • 在留期間更新許可申請書(法務省窓口またはWebから無料でダウンロード可能)
  • 写真(縦4cm×横3cm、申請前6か月以内に撮影)
  • パスポート(原本掲示)
  • 在留カード(原本掲示)
  • 住民票の写し(発行日から3か月以内のもの)
  • 課税(非課税)証明書および納税証明書(未納確認用)

手数料と処理期間

  • 窓口提出:6,000円
  • オンライン申請:5,500円
    2025年4月1日から。不許可の場合は納付不要

処理期間の目安はおおむね2週間から1ヶ月ですが、年度末や新年度前など申請が集中する時期は、審査結果の通知までに最大2ヶ月程度かかることもあります。

混雑期を避けるため、遅くとも満了日の2ヶ月前までには申請を完了することが推奨されています

審査のポイント

更新審査では、以下の点が重視されます。

  • 引き続き技人国ビザの活動内容に合致しているか
  • 報酬が日本人と同等以上であるか
  • 在留状況が良好か(素行違反がない、納税義務を果たしている、資格外活動違反がない)

とりわけ、法令違反や未納があれば審査に影響します。それゆえ、企業は外国人材の納税状況や就労状況を日頃から把握し、必要なら支援を行うことが望まれます。

スムーズな更新のために

更新申請は、外国人材の継続的な就労が適切であることを再確認する機会です。企業は以下を実践しましょう。

  • 更新期限をカレンダー管理し、余裕をもって準備する
  • 在留カードの有効期限や証明書の発行日を定期的に確認する
  • 報酬や労働条件の適正性を日々点検・記録する
  • 納税や資格外活動の状況を共有し、本人にアドバイスする

こうした取り組みが、外国人材の安心と企業の安定的な雇用を支え、結果的にスムーズな更新許可につながります。

オンライン申請の活用メリット

オンライン申請では地方出入国在留管理官署への来庁が不要となり、移動時間や交通費を削減できます。また、受付状況をウェブ上で確認できるため、進捗管理が容易です。出入国管理庁のウェブサイトから検索なさってください。

参考:在留期間更新許可申請 | 出入国在留管理庁

人文知識・技術・国際業務ビザの取得要件

大学の卒業証書を手にしている女性

順番が前後しますが、外国人材が技人国ビザを取得するための要件も振り返っておきましょう。

技人国ビザを取得するには、申請者が専門知識や技術を有し、日本で従事する業務内容と合致していることが厳格に求められます。

学歴要件

原則として、以下いずれかを満たすことが必要です。

  • 大学、短期大学、大学院で関連分野を専攻し卒業していること
  • 専修学校の専門課程(専門士・高度専門士の称号取得課程)を修了していること。
    なお、大学等以外の教育機関で同程度の教育を受けた場合にも、個別に「同等以上」と認められることがあります。

参考:就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)|出入国在留管理庁

実務経験による代替

学歴要件を満たさない場合は、以下の実務経験で要件を代替できます。

  • 「人文知識・技術」分野:10年以上の関連実務経験(法令上定めあり)
  • 「国際業務」分野:3年以上の関連実務経験
    ただし、翻訳・通訳・語学指導の業務は、大学卒業者であれば実務経験不要と運用されています。

参考:在留資格「技術・人文知識・国際業務」 | 出入国在留管理庁

情報処理技術の特例

情報処理に関する業務では、以下のいずれかを要件として追加で求められます。

  • 情報処理技術者試験(IPA実施)の合格
  • 同等の民間資格保有

(※要件の詳細は経済産業省やIPAの公表資料をご参照ください。)

参考:試験の概要 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

報酬基準

外国人が受け取る報酬は、日本人が同等業務に従事する場合と同等以上であることが必須です

具体的な年収基準は法律上明記されていませんが、実務上は300万円以上を目安とする場合が多いようです。

企業側の要件

企業が安定的に運営され、申請者が専門性を発揮できる業務を確保していることも重要な判断材料です

運営実績や資本金、事業内容を示す書類を整え、審査体制を万全に整えましょう。

知識が命!技人国ビザ「不許可」事例から学ぶ対策

不許可をイメージしたNOの文字

技人国ビザの更新申請が不許可となる主な理由と、その対策を解説します。不許可事例を把握し、事前に対策を講じることで、申請成功率を高めましょう。

技人国ビザ取得・更新申請不許可事由と対策方法

学歴・職歴と業務内容の不一致

専門的知識や技術を要する業務であることが必須です。たとえば、声優学科を卒業した方が通訳業務を申請したものの、関連性が認められず不許可となったケースがあります。また、専門分野と無関係な単純作業のみを行う場合も同様です。

対策

雇用契約書や職務記述書で、専攻・職歴と業務内容の関連性を具体的に示しましょう。更新申請時には勤怠記録や業務報告書で、専門業務の実施実績を数値・文書で裏付けて下さい。プロジェクト完了報告、成果物(分析レポート、設計図など)を申請書類に添付することも有効です。定期的に上長面談を行い、業務内容とビザ要件の整合性をレビューするのも助けになります。

単純労働への従事

技人国ビザでは、製造ライン作業や客室清掃など、特別な知識を要しない単純労働は原則認められません。研修を一時的に行う場合でも、日本人社員も同様に従事し、将来的に専門業務へ移行する計画が必要です。

対策

単純労働を行う場合は、その位置づけと時間配分、専門業務への移行スケジュールを明示した計画書を用意してください 。

報酬基準の未達

報酬は「日本人と同等以上」であることが求められます。平均を大きく下回る給与設定は不許可の要因となり得ます。

対策

雇用条件通知書や賃金台帳で、日本人同職務の報酬水準と比較した説明を添付しましょう。給与体系を明確に示し、定時昇給や賞与の仕組みがある場合はその制度概要も提示すると安心です 。

在留状況の不良(素行・資格外活動・納税義務)

素行不良や資格外活動違反、納税未履行があると不許可になります。たとえば、許可時間を超えるアルバイトや租税義務の未履行は、在留状況が良好でないと判断されます。

対策

外国人材と定期的に情報共有し、アルバイト時間や税金納付状況を確認。必要に応じて手続きサポートや注意喚起を行いましょう。

虚偽申請・書類不備

申請書類の記載ミスや虚偽は致命的です。内容の一貫性が失われると、審査が打ち切られる場合もあります。

対策

提出前にダブルチェック体制を構築し、経歴・職歴を裏付ける資料と申請書の記載内容を突き合わせて確認してください。

これらの対策を講じることで、更新申請時の不許可リスクを大幅に軽減できます。次のステップとして、具体的な申請書類チェックリストや進行管理表の雛形作成も可能ですので、ご要望があればお知らせください。

参考:在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン | 出入国在留管理庁

国際化を推進!企業の義務と支援策

ハローワークのサイン

外国人材を雇用する企業には、法的義務を遵守しつつ、安心して働ける環境を整える支援が求められます。これらは企業の国際競争力を高める戦略的施策ともなります。

法的義務の徹底

外国人雇用状況の届出(ハローワーク)

外国人を雇い入れ・離職させるたびに、氏名や在留資格を管轄のハローワークへ届け出る必要があります。怠ると30万円以下の罰金となります。

在留資格の確認義務

雇用時にはパスポートや在留カードで在留資格・在留期間・就労可否を必ず確認します。不法就労助長罪の適用を防ぐため、厳重なチェックが求められます。

労働法・社会保険の適用

外国人材も労働基準法や最低賃金法の対象です。健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険への加入も義務化されています。

労働条件通知書の母語交付推奨

労働契約締結時には、主要な労働条件を可能な限り母国語で書面明示するよう努めます。誤解を防ぎ、安心感を高める施策です。

定着を促す支援策

日本語教育と異文化研修

日本語能力不足がコミュニケーション障壁となるケースは多く、企業は段階的な日本語学習や職場でのやさしい日本語、映像マニュアルを導入しましょう。加えて、日本人社員向けに異文化理解研修を実施すると、相互理解が深まります。

生活支援の提供

住居探しや賃貸契約、行政手続き、携帯契約などで困る外国人材は少なくありません。社員寮の用意、保証人サポート、役所同行、医療機関受診の手続き支援などを行うことで、安心して生活基盤を構築できます。

キャリア形成と公正評価

昇給・昇進の機会を透明にし、評価基準を明示することで、外国人材のモチベーションを維持できます。定期面談で目標設定やフィードバックを行うと、長期的な活躍につながります。

企業がこれらの義務を徹底し、支援策を実行することは、外国人材を「戦略的資産」として活用し、自社の持続的成長を支える基盤となります。

現場の声から学ぶ!外国人材採用・定着の成功事例

外国人に対するサポートの一つでもある住居サポート

せっかく技人国ビザで採用した外国人材ですから、ビザの更新で引き続き活躍してもらいたいものです。

外国人材の採用と定着の点で企業が取り組んだ事例から、そのための方法を探っていきましょう。

コミュニケーション課題への取り組み事例

外国人材雇用における最大の課題の一つが「言語の壁」であり、日本語能力の不足が原因でコミュニケーション不備やトラブルが発生するケースも報告されています。  しかし、この課題を克服し、成功を収めている企業も多く存在します。

  • ある企業では、十分な日本語能力を持つ外国人社員の中から現場の責任者を抜擢し、日本人社員と外国人社員の「架け橋」となるキーマンとして活躍してもらっています。これにより、現場に活気が生まれ、人材育成にも繋がったという声が聞かれます。 
  • 別の企業は外国人社員に講師を依頼して日本人社員向けの英語教室を開催し、日本人社員の英語力向上と、外国人社員と日本人社員の相互理解を深めることに注力しています。これにより、日本人社員の中から海外事業にチャレンジしたいという意欲が高まったという好循環も生まれています。 
  • 内定から入社までの間に、外国人材と日本語での手紙やメールのやり取りを継続的に行うことで、日本語能力の向上を図っている企業もあります。日本語能力試験の受験費用を補助し、合格者を表彰することで、受験率が向上したという事例も参考になるでしょう。
  • その他、多言語対応マニュアルの導入や翻訳ツールの活用、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)、メンター制度の導入、異文化理解研修などが、コミュニケーション課題を解決するための有効な手段として報告されています。

生活・文化面でのサポート事例

外国人材は、日本での生活に慣れるまでに多くの困難に直面します。企業が生活・文化面で手厚いサポートを行うことは、彼らの安心感に繋がり、結果として定着率の向上に貢献します。

  • ある地方自治体では、外国人材の住宅確保に課題を感じている企業向けに、企業の悩みや住居の希望をヒアリングした上で、入居までサポートする事業を開始しています。
  • 別の企業では社員寮を無料で提供したり、住居探しや賃貸契約の保証人になったり、光熱費やインターネット費を会社が負担するなどの支援も行なっています。 
  • 宗教や食事の習慣に配慮し、「お祈り部屋」を設置したり、社員食堂で宗教上の理由で豚肉が食べられない人向けに、豚肉を使用した料理であることを分かるように工夫したりする企業も存在します。地域社会に早く溶け込めるよう、日本人社員が同行して近隣住民に挨拶に行く取り組みも有効とされています。これにより、外国人社員が地域社会に受け入れられやすくなるでしょう。 
  • 母国への帰国を希望する外国人材のために、母国帰国休暇制度を創設し、長期休暇取得を促進した事例も報告されています。これにより、外国人材が安心して家族と過ごす時間を確保できるようになります。

キャリア形成・評価制度の工夫事例

外国人材の離職理由として、より良いキャリアアップや好条件の企業への転職が多いことが調査で示されています。外国人材のモチベーションを維持し、長期的な定着を促すためには、企業がキャリア形成と公正な評価制度を整備することが重要です。

  • 様々な企業が人事評価の結果を昇進に即反映させたり、日本語が不得意な外国人社員の昇進試験の論文・面接を英語でも可能とするなど、柔軟な昇進方法を工夫しています。 
  • 業務に必要な資格取得のための通信教育講座をパッケージで提示し、資格取得費用を会社が補助する制度を設けることで、社内の資格取得意欲が高まった事例も報告されています。
  • あるIT企業では、外国人労働者向けのスキル研修を導入し、昇進機会を提供することで、労働者の満足度を高め、長期的な定着を実現しています。 

参考:
外国人労働者受け入れの課題と解決策|企業が直面する現実と対応策|人材カフェ
外国人社員への異文化理解・日本語研修 -企業の悩みと研修を成功させるポイント-|アルク
外国人雇用における外国人支援を先進的に取り組む企業3社の事例 | お役立ち記事 | MANABEL JAPAN(マナベルジャパン)
外国人の活用好事例集|厚生労働省
成功事例に学ぶ!介護・工場現場で外国人労働者が輝く採用戦略のポイント|株式会社ブイエヌサービス

これらの成功事例から分かる通り、外国人材の定着には言語教育、生活支援、文化理解促進、キャリアパスの明確化などが重要です。

これらの支援は、一見するとコストに見えるかもしれません。しかし、その結果として「労働力不足の解消」「生産性向上」「社内活性化」「離職率低下」「新しいビジネスチャンスの創出」といった具体的な成果が報告されています。

企業による手厚い支援は、外国人材の定着率を高め、採用・教育コストの無駄を削減します。さらに、彼らの多様な視点やスキルが、イノベーションを促進し、新たな市場開拓やサービスの質向上に貢献することで、直接的な収益増にも繋がるのです。

企業が外国人材を「貴重な財産」として位置づけ、長期的な視点で育成に取り組む意識が、成功の鍵であると言えるでしょう

人文分野の未来を拓く!技人国ビザの最新動向と統計

日本企業で働くフィリピン人

日本における外国人材受け入れ制度は、社会情勢や産業ニーズの変化に応じて進化を続けています。とりわけ技人国ビザに関しては、法改正と統計データの両面から最新動向を把握することが、企業採用担当者にとって不可欠です。

2024年法改正のポイント

2024年2月29日付で、技人国ビザの要件が一部緩和・明確化されました。

専門学校卒業生の審査基準の柔軟化

文部科学大臣認定の専門課程修了者は、専攻科目と業務内容の関連性を大学卒業者と同等に柔軟に判断できるようになりました。

実務研修の計画提出義務化

1年以上の実務研修を含む申請では、研修計画の提出と合理性の審査が求められるようになり、長期研修の透明性が向上しました。

これらの改正は、実践的スキルを有する専門学校卒業生のキャリア形成を後押しし、多様な人材プールの活用を促進する狙いがあります

参考:「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について|出入国在留管理庁

今後の採用戦略への示唆

これらの動向から、企業は以下の点を踏まえて採用戦略を検討するとよいでしょう。

  1. 多様な人材プールの活用
    • 法改正により、実践的スキルを持つ専門学校卒業生もターゲットに含められます。従来外れていた専修学校出身者への門戸が開かれ、採用選択肢が拡大しました。
  2. 研修・定着支援の強化
    • 実務研修計画の提出が必須化されたことを踏まえ、入社前後の研修プログラム整備と定着支援策を明確化すると、選考・申請の予測可能性が高まります。

以上の最新動向を踏まえ、法改正の恩恵を最大限に活用し、自社のグローバル人材戦略に組み込むことが、国際競争力強化の鍵となるでしょう。

専門家による技人国ビザ更新申請代行

各種届け出書を準備している企業担当者

ここまでご覧いただいたように、技人国ビザの更新申請は、要件の解釈から書類の準備まで、非常に専門的で複雑な手続きを伴います。特に初めて外国人を採用した企業や、過去に不許可になった経験がある企業にとっては、そのハードルは決して低くありません。

そのため、多くの企業が行政書士を始めとする専門業者にビザ申請の代行業務を依頼しています。

専門家にビザ申請代行を依頼するメリット

許可の可能性が高まる

専門家は最新の審査傾向や、個別のケースにおける許可のポイントを熟知しています。学歴と職務内容の関連性など、審査官が重視する点を的確にアピールする書類を作成することで、不許可のリスクを最小限に抑えます。

時間と労力の削減

採用担当者様は、煩雑な書類作成や入管とのやり取りから解放され、本来の採用業務や受け入れ準備に集中できます。

コンプライアンスの遵守

在留資格に関する法的なルールを遵守し、不法就労などのリスクを回避できます。

総合的なサポート

申請だけでなく、家族の呼び寄せや将来的な永住申請まで、長期的な視点でサポートを受けることが可能です。

ビザ申請は、単なる事務手続きではなく、企業の重要な経営戦略の一環です。専門家の知識と経験を活用することは、確実かつ迅速に優秀な人材を確保するための賢明な投資と言えるでしょう。

MWO申請|フィリピン人の受け入れのために

登山道から望む景色とフィリピンの国旗

技人国ビザでフィリピン人人材を採用するには日本国内の手続きとは別に、MWOへの申請も必須となります。

以前はPOLOという名称で知られていたMWOは、フィリピンのDMW(移住労働者省)の海外出先機関であり、日本では東京と大阪に事務所が設置されています(駐日フィリピン共和国大使館・総領事館内)。 

DMWとMWOはフィリピン人労働者の権利保護、福祉の向上、海外雇用の促進と管理を一元的に行うことを目的としています。そのため、技人国ビザでフィリピン人を採用する際にも、MWOへの申請が義務付けられています

MWOへの申請手続きは、一般的に以下の流れで進みます。

STEP
申請書類の提出

まず必要な申請書類や資料を準備し、MWO(東京または大阪の事務所)に送付(郵送)します。

STEP
MWOによる審査と承認

次に、MWOによって提出された書類に基づいて審査が行われ、雇用契約の内容などが適切であると判断されれば、フィリピン政府から正式な承認の印とも言える認証が得られます。この承認によって、フィリピン人人材の募集活動が行えるようになります。

STEP
フィリピン人人材の採用

フィリピン人人材の募集を行い、採用・雇用契約を結びます。現地の送り出し機関を通じた人材の紹介も行われています。

フィリピン本国のDMWへのOEC申請などは、契約した現地の送り出し機関を介して行いますが、日本のMWO事務所への申請や申し込みは受入れ先が行わなければなりません。

このMWOへの申請は非常に複雑であり、書類に不備がある場合には差し戻しなどのトラブルも散見します。そのため時間と手間を省きながら採用を確実なものにするためにも、専門の代行業者を利用することが一般的です。

まとめ:外国人材と共に企業の未来を築くために

円陣を組みハイタッチをしている外国人社員

技人国ビザの在留期間は、外国人材の経歴や企業の安定性、雇用契約内容によって5年、3年、1年、3ヶ月のいずれかが決定されます。ビザの取得・更新には、学歴・実務経験と業務内容の関連性、日本人と同等以上の報酬、企業の安定性といった厳格な要件があり、特に単純労働への従事や在留状況の不良は不許可に繋がる重大な要因となります

企業には外国人雇用状況の届出や在留資格の確認といった法的義務があり、これらを遵守することが信頼の基盤となります。さらに、言語・文化理解の促進、生活支援、キャリア形成支援といった多角的なサポートが、外国人材の定着と活躍を促し、企業の競争優位性を高める戦略的投資となるでしょう。

技人国ビザを取得や更新には制度への深い理解と、慎重な準備が不可欠です。もし、自社のケースでビザが取得できるか不安な場合や、手続きに割く時間がない場合は、専門家に相談することをおすすめします

特にフィリピン人人材を受け入れる際には、国内への手続き以外に、MWOへの申請手続きが必要です。MWO申請サポートではフィリピン人採用を検討している企業に向けた、様々なサポートプログラムを提供しています。

まずは一度、お気軽にご相談ください。

\ ご相談はこちらから /

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次